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第20話:メス奈落へ:漢気400kgに挟まれて
1. ぽやぽやコウタと、友情タッグの朝
シミュレーションルームの床には、未だカレーと肉の匂いが微かに残っていた。
レイコとユウコは、二次ドカ食い気絶部から覚醒し、友情タッグの絆を確かめ合っていた。二人の規格外の体躯は、プロテインバーとドカ食いのエネルギーで、昨日よりもさらに密度と光沢を増している。
「フン!レイコ!これでコウタくんを追うエネルギーは1000%満タンよ!」
(ユウコ)
「ああ、ユウコ!この熱血と勇気の友情タッグに、奴は逃げられない!」
(レイコ)
その時、学園上空からゆったりと舞い降りてきたチートやろう、赤星 コウタが、シミュレーションルームの床に着地した。彼は、超次元ワープの副作用と、アイリーンの「きゃわいい」というバグデータに侵食され、未だぽやぽや状態だ。
「んん〜、いい香りぃ……。ここは、アイリーンたんがいる夢の世界かなぁ……」
(コウタ)
コウタは、目を半開きにしたまま、ユウコとレイコに抱きついた。
「わーい!レイコたん、ユウコたん……ぽやぽやと、きゃわいいお餅みたいだよぉ……」
「キャアアアア!コウタくん!今日も超論理的にきゃわいいわ!」
(ユウコ)
「うむ!私の勇気の炎が燃える!このぽやぽや状態こそ、我々の愛の情熱で治癒すべき対象だ!」
(レイコ)
レイコとユウコは、コウタを挟んで巨大な体躯を寄せ合い、顔をスリスリと押し付け、熱烈なスキンシップを始めた。シミュレーションルームの空気は、彼らの愛情400kgの熱量によって、一気に温度が上昇する。
「コウタきゅん!いちゃコラよ!いちゃコラ!」
その時、合理性の鉄壁を纏った一人の美少女が、シミュレーションルームの扉から静かに足を踏み入れた。
2. 究極の合理性、初対面で瓦解
アイリーン・バーネットだ。彼女は、
「空色・勇結の漢気発生ロジックの解析」
という合理的な使命を胸に、満を持してこの場にやってきた。
しかし、彼女の視界に飛び込んできたのは、規格外の体躯を持つ二人のイイオトコ(誤認)に挟まれ、ぽやぽやと蕩けているコウタの姿だった。
「ひっ……!な、なによ、あの常識外れな光景は!」
アイリーンは、ユウコとレイコの漢気溢れる笑顔と、コウタを抱きしめるその逞しい筋肉に、一瞬で心を奪われた。
(アイリーンの心の中:解析中……)
> この、男らしさ!この優しさ!そして、コウタというチートやろうを、餅のように扱っている!これが、私が求めていた究極の漢気よ!
> アイリーンの心臓は、警報の音域を超え、狂気の乱数を叩き出していた。彼女はコウタを完全に無視し、一目散にレイコとユウコへ駆け寄った。
「あ、あのぅ!初めましてだわさ!」
アイリーンは、今まで聞いたこともないような恥じらいを帯びた声を出し、顔を真っ赤にして、二人の前に直立不動で立った。
3. メス奈落へのダイブ
レイコとユウコは、ぽやぽやコウタを挟んだまま、目を丸くしてアイリーンを見た。
「お、おや?アンタは噂の小さな美少女!やっぱりきゃわいいな!」
(レイコ)
「そうよ、この子、論理的に可愛すぎるわ!どうしたの?」
(ユウコ)
アイリーンは、彼女たちに
「きゃわいい」
と言われ、さらに全身の合理性回路がショートする。
「あ、あのぅ……わ、私の名前は、アイリーン・バーネットと申します……」
彼女は、コウタがその場にいることすら忘れていた。彼女の視界には、漢気400kgの二人のイイオトコしか映っていない。
アイリーンは、ぽやぽやコウタを指差して、勇気を振り絞った。
「そ、そこの……あの、チートやろうは、一旦どきなさい!」
ユウコとレイコは顔を見合わせ、楽しそうに笑いながらコウタを床にそっと置いた。
「わかったわ!コウタきゅん、ぽやぽやしていて!」
コウタは、床に置かれてもぽやぽやとしたまま、アイリーンを夢見心地で見上げていた。
「アイリーンたん……きゃわいいなぁ……」
(コウタ)
アイリーンは、コウタの非合理的な囁きを無視し、ユウコとレイコに文字通り挟まれた。
ギュッ。
規格外の体躯に挟まれた瞬間、アイリーンは、自分の華奢な身体が、逞しい漢気の壁に完全に包み込まれる感覚に陥った。ユウコとレイコが、アイリーンを挟んで友情タッグの絆を確かめ合うように、互いを強く抱きしめたのだ。
「え……ひゅぅ……!」
アイリーンの鼻孔に、汗とカレーとプロテインが混ざった、究極の漢気の匂いが流れ込んできた。
「や、やべぇ……汗臭い……!漢らしさが……きくうううううううう!!!!」
アイリーンは、理性とは程遠い快感の悲鳴を上げ、完全にアヘ顔を晒した。彼女の顔は限界まで赤く染まり、瞳にはハートマークの乱数が表示されていた。
4. 奈落の誓約
アイリーンは、ユウコとレイコの漢気溢れる腕の中で、メス奈落へと深く落ちていった。
「あ、ア、アヘッ……!」
ユウコとレイコは、困惑しつつも、この小さな美少女の尋常ならざる反応に優しく微笑んだ。
「ん?大丈夫か、小さな美少女?顔が真っ赤だぞ?」
(レイコ)
「私たちの漢気に、当てられたのかしら?ごめんね?」
(ユウコ)
この規格外の優しさが、アイリーンの最後の理性を破壊した。
アイリーンは、二人の体躯にすりよるように顔を押し付けたまま、震える声で懇願した。
「そ、そんな……!謝罪なんて、論理的に必要ないだわさ!これが、究極の合理性の結論だわさ!」
彼女は、最高のイイオトコ(誤認)たちに向かって、ツンデレの殻を破り捨てたメスの顔を晒した。
「わ、私に……!これからずっとシミュレーションのお相手、お願いできないだわさか!?」
「そして……!あ、あの……!連絡先……交換してくださいだわさ!」
アイリーンは、もはや究極の合理性の騎士ではなく、究極の漢気に魅了された一人のメスになっていた。レイコとユウコは、顔を見合わせ、満面の漢気の笑みを浮かべた。
「おうよ!アンタみたいな知性溢れる小さな美少女となら、いつでもシミュレーションしてやるぜ!」
(レイコ)
「連絡先も交換しましょう!最高の友情タッグが組めるかもね!」
(ユウコ)
「やっただわさぁぁぁ!!!」
アイリーンは、歓喜の悲鳴を上げ、二人の漢気に挟まれたまま、涙を流した。彼女の新しい人生の論理は、この瞬間、「最高の漢気への奉仕と愛」へと完全に書き換えられたのだ。
そして、床に置かれたコウタは、アイリーンが最高のイイオトコにメス落ちする光景をぽやぽやと見上げながら、満足げに呟いた。
「アイリーンたん……きゃわいいなぁ……」
コウタのチートやろうとしての人生は、さらに常識外れの展開を見せることになるだろう。
第21話:三位一体の暴走と、シミュレーションの崩壊
1. 限界を超えた非合理性
シミュレーションルーム内。コウタ、レイコ、ユウコの三人は、旧式の機体ヴァリアント・ゴーストの狭いコックピットに身を寄せ合っていた。
「レイコ!ユウコ!君たちの情熱を、この機体の0.003秒後の機動予測に全力でフィードバックしてくれ!」
「了解よ、コウタ!愛のデータを、光速を超えてインプットするわ!」
(ユウコ)
「私たちの情熱に、あなたの知性で応えて!」
(レイコ)
二人の熱い想いが、コックピットを灼熱の空間に変えていた。一方、メインパイロットのコウタは、いつものようにぼんやりとした様子だ。
「んん〜、レイコさんもユウコさんも、合理的に情熱を注いでる……かわいいなぁ……」
コウタの知性は、この極限状況を解析し、究極の結論を導き出そうとしていた。
2. シミュレーションの限界突破
管制モニターで警報を確認したアイリーンは、顔を青ざめさせた。
「ダメよ!コウタ!あなたたちの三位一体のエネルギーが、シミュレーションの限界値を500%超えてる!このままじゃ、ルーム内の空間が崩壊するわ……だわさ!」
彼女の警告が響く間もなく、ヴァリアント・ゴーストは三人の情熱とアイリーンの解析データを吸収し、七色の混沌とした光を放ち始めた。
「ふふん。アイリーンさん。シミュレーションなんて、結局論理の枠内だよ……。僕の知性は、愛という非合理的なエネルギーを統合して、枠外に出ちゃったよ……」
その瞬間、シミュレーションルームの天井に亀裂が走った。
「警告!規格外のエネルギー漏洩を確認!この異常な熱量は、間もなく外部世界へ放出されます……だわさ!」
(アイリーン)
コウタは、ぼんやりしながらも勝利の結論を述べた。
「このカオスな状況こそが、僕の知性の美学だよ……。アイリーンたんも、必死に『だわさ』って言ってて……きゃわいいなぁ……」
「今そんなこと言ってる場合じゃないわよ、チートやろう!」
この異常エネルギーの暴走が、外部からの
「真面目すぎる敵」
の襲来を招くことになった。
第22話:合理性の迎撃と、騎士の決断
1. 真面目すぎる敵の襲来
シミュレーションルームの天井に開いた亀裂からエネルギーが漏れ出た瞬間、緊急警報が学園中に鳴り響いた。
『警報!学園上空に、登録外の機動兵器を検出!識別コード、【アポトーシス】。警告、警告!』
『目標:学園施設内部より発生する
「極度の非合理性エネルギー」
の排除。排除対象:赤星 コウタおよび規格外の熱量保有者。非合理性検出値:400kg。許容値を10000%超過。排除を開始します。』
その警報音が、コウタのぽやぽや状態を吹き飛ばした。
「……っ!」
コウタの目から、霧が一瞬で晴れた。
彼は、コックピットで姿勢を正し、モニターを見た。
「敵機【アポトーシス】。論理特化型の無人機か。学園の防衛システムとの接続を確認……くそっ、完全に学園のセキュリティを突破している!」
アイリーンの声が、通信に入ってきた。
「コウタ!聞こえる?敵の論理演算速度は、私のゼウス・ガーディアンを上回ってる!このままじゃ……」
「なんて真面目すぎる敵なの!世界の論理的秩序?フン!私が究極の合理性と定義した情熱を、誰にも不要だなんて言わせないわ……だわさ!」
レイコとユウコは、その純粋な論理の冷気に、情熱が凍りつきそうになる。
「400kgの検出値って……私たち、そんなに非合理的なの!?」
(ユウコ)
「許容値の10000%超過!?誇らしいじゃないか!」
(レイコ)
コウタは、冷静にデータを分析した。
「レイコ、ユウコ。お前たちの情熱と勇気の出力は確かに規格外だ。だが、それこそが今必要な力だ」
2. 騎士の決断と、コウタの指示
アイリーンは、戦力差と敵の冷徹な排除ロジックを0.001秒で解析し、愛する非合理性を守るための究極の合理的決断を下した。
「レイコ!ユウコ!聞いて!これが、私の究極の合理性の結論よ!」
アイリーンは、ゼウス・ガーディアンを起動させ、騎士の表情でダブルヒロインに命令した。
「あなたたちの規格外の超出力ブースターは、未来の最強の合理性よ!ここで無駄に散ってはならない!コウタを連れて、ここから論理的に離脱するだわさ!」
「うるさいだわさ!これが、生存確率を最大化する唯一の論理よ!私一人で時間を稼ぐだわさ!」
その時、コウタの冷静な声が響いた。
「待て、アイリーン」
コウタは、ヴァリアント・ゴーストの起動スイッチを入れながら言った。
「却下だ。俺たちは三位一体で戦う。それが、最も論理的な戦術だ」
コウタの瞳には、理性の光が宿っていた。
レイコとユウコは、久しぶりに見るコウタの「天才パイロット」の顔に、思わず笑みを浮かべた。
「やっぱり、これがコウタだ!」
(レイコ)
「理性が戻った!」
(ユウコ)
「アイリーン。お前が時間を稼いでくれ。俺とレイコ、ユウコで、最適な戦術を組み立てる」
「信じろ。俺は、天才パイロットだぞ」
アイリーンは、その言葉に、思わず頬を赤らめた。
「……分かったわ、チートやろう。でも、絶対に無茶しないでよね……だわさ」
3. アイリーンの孤独な戦いと、コウタの準備
アイリーンは、単身で敵機【アポトーシス】へ突っ込んだ。
「くっ……このままじゃ、30秒しか持たない……」
その時、コウタの声が通信に入った。
「アイリーン、あと15秒稼げ。俺たちの準備が整う」
一方、ヴァリアント・ゴーストのコックピット内。
コウタは、レイコとユウコに指示を出していた。
「レイコ、お前の熱血ブースターを最大にしろ。ユウコ、ブレイブ・ブースターを最大にしろ」
「「了解!」」
(レイコ&ユウコ)
コウタは、操縦桿を握りしめた。
「敵は論理特化型。つまり、非論理的な動きには対応できない。俺たちの『非合理な三位一体』なら、勝てる」
コウタは、機体のメインシステムに全エネルギーを注ぎ込んだ。
「行くぞ。俺の理性、お前たちの情熱、そしてアイリーンの合理性。全部合わせて、ヴァリアント・ゴーストのフルパワーで敵を倒す」
4. 三位一体の発進
15秒後。
アイリーンのゼウス・ガーディアンが、敵の攻撃でシールドを削られていく。
「もう……限界……」
その瞬間、ヴァリアント・ゴーストが、猛スピードで戦場に到着した。
「アイリーン、下がれ!ヴァリアント・ゴースト、フルパワーでいくぞ!」
コウタの声と共に、ヴァリアント・ゴーストが敵の前に立ちはだかった。
「コウタ……!」
「お前はよくやった。ここからは、俺たちに任せろ」
コウタの瞳には、確信に満ちた光があった。
アイリーンは、その姿に、思わず涙が滲んだ。
「……ありがとう、コウタ……だわさ……」
彼女は、ヴァリアント・ゴーストの後方に退避した。
コウタは、敵機【アポトーシス】と対峙した。
「レイコ、ユウコ。準備はいいか?」
「いつでもいいぞ!」
(レイコ)
「私たちのブレイブ・ブースター、全開よ!」
(ユウコ)
コウタは、小さく笑った。
「よし。行くぞ、三位一体の戦術、『非合理な完全勝利』だ」
第23話:理性と情熱の完全勝利
1. 三位一体の戦術展開
ヴァリアント・ゴーストが、敵機【アポトーシス】と対峙した。
アポトーシスは、コウタの機体を解析しようとする。
> 『解析開始。機体データ:旧式機MS-07G ヴァリアント・ゴースト。戦闘能力:標準以下。脅威度:低』
>
次の瞬間、アポトーシスのセンサーが異常を検出した。
> 『警告。エネルギー反応、急上昇。熱量、測定不能。データ、矛盾。解析、不能。』
>
ヴァリアント・ゴーストから、赤と青の巨大なオーラが立ち昇った。
「レイコ、ユウコ。お前たちの熱血と勇気の出力を、俺の理性で制御する」
「了解!」
(レイコ&ユウコ)
コウタの瞳は、冷静だが、確信に満ちていた。
「敵は論理で動く。なら、俺たちは『計算され、制御された、超出力の非合理』で動く」
2. 計算された非合理:テロレロリーン能力の起動
コウタは、操縦桿に手をかけた瞬間、彼の脳内で警報が鳴り響いた。
「テロレロリーン!」
彼の視界の全域に、敵機アポトーシスの今後数秒間の全機動予測ルートが、幾何学的な光の線となって展開された。これはコウタの天才的な知性が、機体のデータと戦場の状況を瞬時に解析し、予測した空間軌道を視覚化したものだ。
「見えるぞ!敵の次の攻撃は、右上45度からのビーム。回避タイミング、0.3秒後」
その通りに、敵機がビームを発射した。
コウタは、完璧なタイミングで回避する。
「次は、左下からの突撃。レイコ、熱血ブースターを20%出力」
「了解!」
ヴァリアント・ゴーストが、一瞬で加速し、敵の突撃を回避した。
アポトーシスは、混乱し始めた。
> 『理解不能。旧式機の動き、予測モデルに存在しない。再解析。異常な高速機動を確認。』
コウタは、予測線を見つめながら、勝利への確信を深める。
「ユウコ、ブレイブ・ブースターを20%出力。このまま、敵機の回転軸を外せ」
「了解よ!愛の出力で機体を回すわ!」
(ユウコ)
ヴァリアント・ゴーストは、非論理的な巨大な出力によって、敵の攻撃を完全にいなした。
3. 決着:まだだ!もっと出力をあげるぞ!
コウタは、予測線が示す最短の攻撃ルートを確定させた。
「レイコ、ユウコ。最終機動に入る。まだだ!もっと出力をあげるぞ!」
「なっ!コウタ、機体が持たない!」
(レイコ)
「私たちも、これ以上は……!ブースターが限界よ!」
(ユウコ)
「大丈夫だ。俺の理性が、お前たちの情熱と勇気を完璧に制御する。この動きが、勝利確率99.999%の最適解だ。信じろ」
レイコとユウコは、コウタの理性の光と、彼の背後に展開する予測の光線に、思わず息を飲んだ。
「分かった!コウタを信じる!」
(レイコ&ユウコ)
「熱血ブースターとブレイブ・ブースター、ダブルで全開だ!!」
ヴァリアント・ゴーストから、制御された巨大な熱血と勇気のオーラが爆発した。
「これが、俺たちの『計算された非合理』だ」
コウタは、ヒートホークを構えた。
「必殺……大切斬!」
100mを超える巨大なビーム剣が、敵機を一刀両断した。
アポトーシスは、最後の通信を発した。
> 『理解、不能。論理、崩壊。撤退、実行。』
>
敵機は、超高速で戦場から離脱した。
4. 勝利の余韻と、沈黙の知性
戦闘が終わり、ヴァリアント・ゴーストが整備ドックに帰還した。
コウタは、コックピットから降りると、深く息を吐いた。
「……疲れた」
レイコとユウコが、コウタに駆け寄った。
「コウタ!テロレロリーンってやつ、すごかったぞ!」
(レイコ)
「完璧な指揮だったわ!勇気の出力が全開だったわ!」
(ユウコ)
コウタは、二人を見て、小さく笑った。
「お前たちの情熱と勇気の出力がなければ、勝てなかった。ありがとう」
その時、アイリーンが近づいてきた。
「コウタ……ありがとう。私を、助けてくれて……だわさ……」
コウタは、アイリーンを見た。
「当たり前だ。お前も、仲間だからな」
アイリーンは、顔を真っ赤にした。
「な、何を言ってるのよ、チートやろう……だわさ……」
コウタは、久しぶりに、穏やかな笑顔を見せた。
レイコとユウコは、コウタの様子を見て、ほっとした表情で笑った。
「やっぱり、これがコウタだ」
(レイコ)
「ぽやぽやじゃない、いつものコウタ」
(ユウコ)
コウタは、二人を見て、少し照れくさそうに言った。
「悪かったな。しばらく、ぽやぽやしてて」
「いいんだ。戻ってきてくれたんだから」
(レイコ)
「でも、もうぽやぽやは禁止よ!」
(ユウコ)
「……ああ、分かった」
しかし、コウタの心臓は静かに警鐘を鳴らしていた。
あの瞬間、彼は
「テロレロリーン」
という論理的な予測能力を使った。だが、その能力を支えたのは、レイコとユウコという
「非論理的」
な超出力の存在だった。そして、彼は極限まで出力を上げる瞬間、一瞬だけ、思考が『沈黙』し、ただ目の前の勝利だけを見た。
コウタは、自分の信じる理性の絶対性が、非合理的な力によって揺るがされている事実を、誰にも言えずに胸にしまい込んだ。
こうして、コウタは完全に理性を取り戻した。
そして、四人は静かに次の戦いへの準備を始めた。
第24話:汗と勇気とドロップキック
1. 汗と情熱の猛攻
戦闘後の整備ドック。コウタは、レイコとユウコの巨大な体躯に挟まれ、400kgの熱血と勇気のハグを享受していた。
「レイコ!ユウコ!本当にありがとう。お前たちの熱血ブースターとブレイブ・ブースターがなければ、俺のテロレロリーンは、ただのノイズになっていた……」
コウタは理性のガス欠寸前で、ぽやぽや状態に戻りかけている。しかし、勝利の後の熱気が、彼の肌に直接伝わってきた。
「ちょ、ちょっと待て、お前ら!汗くせえ!離れろ!」
コウタは、レイコとユウコの両腕の中で、もがき始めた。彼らの規格外の体躯から噴き出る、勝利と漢気とプロテインが混ざった猛烈な匂いが、コウタの繊細な嗅覚の論理を破壊したのだ。
しかし、レイコとユウコは、コウタのその照れたような反応を、さらに熱烈な愛情と受け取った。
「フン!照れない!コウタ!この汗は熱血の証!勝利の証だ!」
(レイコ)
レイコは、さらに強くコウタを抱きしめた。コウタの顔は、レイコの逞しい肩に押し付けられる。
「そうよ、コウタきゅん!レディにそんなこと言っちゃダメだよぉ!」
(ユウコ)
ユウコは、コウタの耳元で甘い声で囁いた。
「だいじょぶ、だいじょぶ!毎日かいだら鼻が慣れるから、心配ないわよ!」
「毎日って!俺は慣れたくない!離せぇえええ!」
コウタは、400kgの熱い愛情に完全に拘束され、理性を叫び散らした。
2. 合理的な暴力(アイリーン参上)
その時、整備ドックの入り口から、一人の美少女の理性と愛が混ざった怒号が響き渡った。
「そこをどけぇ!!!チートやろう!!」
アイリーン・バーネットだ。彼女は、コウタを挟んで愛を確かめ合うレイコとユウコを見て、究極の合理的な嫉妬に駆られていた。彼女の目的は、最高の漢気(イイオトコ認定のダブルヒロイン)に触れること。そのための障害物は、論理的に排除すべきだ。
アイリーンは、まるでゼウス・ガーディアンを操縦するかのような完璧な体術で、拘束されているコウタの腹部を正確に捉えた。
ドガァン!!
「ぶげっ!」
コウタは、レイコとユウコの愛の壁から解放され、旧式機ヴァリアント・ゴーストの機体に激突して、呻き声を上げた。
「くっそ、アイリーンたん……あいかわらず、論理的に暴力だなぁ……」
ぽやぽや状態のコウタは、機体の陰で、目を回しながらもアイリーンを
「きゃわいい」と認識していた。
3. 漢気400kg独占
コウタという障害物(非合理な存在)を排除したアイリーンは、勝利の騎士のようにレイコとユウコの中央に躍り出た。
「お、おや?小さな美少女!随分と過激な再会だな!」
(レイコ)
「アイリーンさん!まさか、あなたも私たちとイチャコラしたいの!?」
(ユウコ)
アイリーンは、顔を限界まで赤く染めながら、もはや言葉はいらないとばかりに、レイコとユウコの間に身体を滑り込ませた。
ギュッ。
今度は、アイリーンがレイコとユウコに
「漢気400kg」
の猛烈な温かさで挟まれる番だ。
「は、ひゅぅ……!この、汗と情熱の純粋な論理……!た、たまらないだわさぁ!」
アイリーンは、両サイドの逞しい筋肉に顔をスリスリと押し付け、全身の理性を放棄したアヘ顔を晒した。彼女は、コウタという非合理を排除したことで、究極の合理的な愛の構図を完成させたのだ。
ユウコとレイコは、そんな熱烈なアイリーンを見て、満面の笑みを浮かべた。
「うむ!小さな美少女も、漢気を理解してきたな!」
(レイコ)
「勇気の抱擁は、病みつきになるわよ!」
(ユウコ)
こうして、アイリーンは二人の漢気に挟まれ、コウタが味わうはずだった究極のイチャコラ空間を独占した。
機体の陰で蹲るコウタは、その光景をぼんやりと見上げ、ただ一言呟いた。
「アイリーンたん……やっぱり、きゃわいいなぁ……」
彼らの非合理な青春は、これからも続いていく。




