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### エピローグ 〜愛の質量、永遠に〜
数ヶ月後。
学園の格納庫は新しく建て直され、朝日が差し込む広大な空間になっていた。
そこに、ヴァリアント・ゴーストの残骸はもうない。
代わりに、巨大な記念碑のようなものが置かれている。
折れた勇者剣の柄と、金色に輝くフレームの破片がアクリルケースに収められ、プレートにはこう刻まれていた。
『非合理の極致 異形の亡霊 ヴァリアント・ゴースト
大破すればするほど強くなる、愛の質量の証』
コウタは制服姿でその前に立ち、苦笑いを浮かべていた。
コウタ
「……結局、役所には『二枚同時提出は不可』って突き返されたよな……」
背後から、ドスン、ドスン、と馴染みの重い足音が二つ。
レイコ
「フン! 理屈ばっかの役所なんかに、熱血が通じるわけねえだろ!」
ユウコ
「そうよ! 私たちには、もう必要ないんだから♡」
二人はコウタの両脇に立ち、それぞれ腕を絡めてくる。
相変わらず400kgの愛の質量が、コウタを優しく(?)挟み込む。
コウタ
「必要ないって……どういうことだよ……」
レイコ(ニヤリ)
「だってよ……」
ユウコ(満面の笑みで)
「もう私たち、家族なんだもの!」
コウタ
「は?」
二人は同時に、コウタの両手に光るものを差し出した。
シンプルな銀のリング。
内側には、三人のイニシャルが刻まれている。
レイコ
「役所が認めなくても、俺たちの熱血は認めてるぜ」
ユウコ
「勇気で、ずっと一緒にいるって決めたの!」
コウタは顔を真っ赤にしながら、でもどこか安心したように笑った。
コウタ
「……お前ら、本当に非合理的だな」
遠くから、アイリーンの声が聞こえてくる。
アイリーン
「ふふ……私も負けないわさ。次は私の論理で、ちゃんと予約を取るからね」
タカシ(通信機から)
「合理的結論です。非合理な愛は、複数の変数を許容するようです」
コウタは二人の手を強く握り返した。
コウタ
「……まあ、いいか。
データなんか知るか、だ」
三人は朝日を浴びながら、格納庫を出て、学園の坂道を上っていく。
背後で、記念碑のフレームの破片が、朝日を反射してかすかに金色に輝いた。
その光は、まるで――
ブッピ……ブッピ……
遠くで、優しい重低音が響いているような気がした。
**愛の質量は、永遠に無限大。**
**【真の完結】**
おめでとう、コウタ。
おめでとう、レイコ、ユウコ。
そして、アイリーンも……これからが本番だわさ♡
合体逆算論理 | B.U.P.P.I. | パーツ名の頭文字を逆算(Ignite Punch, Pen, Ultimate Buster)しても導かれる、愛の論理の証明。




