20
20 88アポトーシス決戦
アポトーシス最終決戦
【第88話】おととい、襲来!異形の亡霊、覚醒す
瓦礫の街に冷たい論理の光が満ちる。アポトーシスが「おとといきやがれ」の論理的解釈通り、2日後に再襲来。完全進化体として帰還したその姿は、もはや神の如き冷徹さを放っていた。
ロゴス
『修復完了。非合理データの再集積を確認。論理排除プロセス、最終段階へ移行』
ヴァリアント・ゴーストはAMFに完全に捕らわれ、熱血も勇気も中和され、装甲は半壊。コウタの理性は糸のように細く、限界を訴えていた。
コウタ
「くそっ……!レイコ、ユウコ……お前たちの400kgの愛が、今はただの重荷だ……!このままじゃ……俺の計算が……届かない……!」
レイコ
「熱血が……封じられてる……!体が……裂けそうだぜ……コウタきゅん……!」
ユウコ
「コウタきゅん……もう……みんなを守れない……よぉ……!」
ロゴス
『ヴァリアント・ゴースト、非合理性欠陥確定。殲滅を開始する』
理性の騎士、単独防御
通信にアイリーンの冷徹な声が響く。
アイリーン
「ノイズが多いわ、コウタ。あなたの非合理な愛の質量では、純粋な論理を突破できないわさ。私が奴の論理を破綻させる。それが理性の騎士の使命だわさ」
ゼウス・ガーディアンが純白の光を放ち戦場に降臨。アイリーンが単独でAMFに挑み、ヴァリアント・ゴーストの前に立ちはだかる。
アイリーン
「アポトーシス!君の論理は予測可能よ!効率の追求にこそ欠陥が生じる!」
アポトーシスが最終ビームを放つ。ゼウス・ガーディアンが全エネルギーを展開し、ヴァリアント・ゴーストを完全に守護する形でビームを正面から受け止める。
ドゴォォォォォン!!
ゼウス・ガーディアンは装甲に深い傷を負いながらも耐え抜き、ビームの直撃を防ぐ。しかしその衝撃波と残滓エネルギーがヴァリアント・ゴーストに直撃。
ズガアアアアアアアアアアアアアン!!!
ヴァリアント・ゴーストの装甲が四方八方に弾け飛び、鋼鉄の雨となって瓦礫の街に降り注ぐ。胸部、肩部、脚部――全ての外装が一瞬で剥がれ落ち、むき出しになった内部フレームが赤熱した鉄のように輝き始める。
コックピット内の警報が狂ったように鳴り響く。
【警告:全装甲喪失 フレーム露出率100%】
【警告:システムダウンカウント開始 10…9…8…】
コウタ
「ぐっ……!機体が……完全に大破した……!」
だが――その瞬間。
機体の奥底から、禁断のランプが赤く、激しく点滅を始める。
【熱血ブースター 起動条件達成】
【ブレイブブースター 起動条件達成】
【絶対絶命被弾データ 完全記録】
コウタの理性が、砕け散る。
コウタ(心の叫び)
(データなんか……知るか……!!
みんなを……絶対に……守る……!!!)
その想いが、火花となって爆発する。
コウタ
「くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!! データなんか知るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ズドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!
剥き出しのフレームから、金色の熱量が噴火のように爆発!!
溶けた黄金が血管となってフレームを駆け巡り、機体全体を神々しい光で包む。
モノアイが、真紅の炎となって燃え上がり、咆哮する獣の目のように輝く。
装甲の残骸が逆噴射で吹き飛び、金色の熱血エネルギーが外骨格となって機体を覆う。関節部から高密度の熱量波動が溢れ出し、周囲の瓦礫を溶かし、地面を焦土に変える。
【出力 400%……700%……1000%……測定不能!!】
大破した異形の亡霊――ヴァリアント・ゴーストは、金色の翼を広げ、ゆっくりと、しかし確実に立ち上がる。足を踏み出すたび、地面が溶け、焼き付いた足跡が残る。
コウタ(低く、燃える声で)
「……てめぇ……絶対に……許さねえ……!!」
レイコ(涙声で叫ぶ)
「来た……!!これが……俺たちの機体の……本当の姿だぁぁぁ!!!!」
ユウコ(涙と笑顔で)
「コウタきゅん……最高にかっこいいよぉ……!!!」
アイリーン
「そうよ……!!大破こそ覚醒……!!非合理の極致……!!!」




