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別界勇者  作者: 隠岐供契
それぞれの国
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第十六話 三週間後の王国へ

皆様!ついに第二章開幕です!

これからどんな展開が待ち受けているのか……

ぜひ想像しながら読んでくれると嬉しいです!

「お、おい、何て言った?さ、三週間?」

 リョウマは冷や汗を垂らしながら目の前のカーロス国の衛兵に問う。

「は、はい、そろそろ戻られないとと思いまして……」

「お、俺はい、一日も国を離れてないぞ……?」

 それを聞いた衛兵も少しずつ言葉の一つ一つに焦りが含み始める。

「そ、そうなんですか……?で、でも確かに三週間の時は経って……」

 するとリョウマは何かに気づいた様子で咄嗟に後ろを振り返り、シャリオン、オリヴィア、アリアドネ、そして玲の顔を順に見る。

「アリアドネさん達は……いつからここにいましたか……?」

 そう、リョウマは国を出て、アリアドネらを助けにこの森にやってきてから今まで一日もたっていないのに外では三週間も時が流れていた。ではその何日も前からいるアリアドネらは?

 アリアドネはだんだんと焦りの表情に変えていく。

「そ、それは……えっと、その……」

「およそ五日程かと」

 見かねたオリヴィアがアリアドネの代わりに答える。

「アリアドネ様いいですか?焦っているのは私も同じです。ですがこんな事態だからこそ冷静さを保つ必要があるんです」

「……っ!そ、そうじゃな……すまん、礼をいう」

 一息ついた後、やはりオリヴィアも相当焦っているのだろう、無理やり冷静さを保っているのが見て取れる。

「……そして、私は、三日ほど前です……恐らくお兄様も……」

 今だ目を開けないシャリオンの姿を一瞥しながら言う。

 リョウマはそれを聞いて少し考え込む。

「……これは、かなりまずい状況ですね……今までこんなことは無かったのに……」

「今すぐ戻るんじゃ……今すぐ―――」

「それはダメです」

「なぜじゃ!」

 明らかに冷静さを欠いているアリアドネを落ち着かせるようにゆっくりと話す。

「いいですか?もし、というか確実に何者かが私たち、もしくはアリアドネさんらを狙っています。そしてもし国に帰ったとして、意識のないシャリオンさん、魔力がほとんどないオリヴィアさんとアリアドネさん、そして玲も同様に魔法を上手くコントロールできていない様子。そんな状態で国に帰ってもし何者かが待ち伏せしてたら、どうやって戦うんですか?」

 それを聞いてようやく少し冷静さを取り戻したのか、アリアドネは申し訳なさそうに目を背けながら口を開く。

「……じゃが、民が心配じゃ……」

 するとリョウマはにこっと笑い、アリアドネに近づき、膝を折る。

「……心配、ですよね、わかります。僕も一応国の王ですから、痛いほどわかります。ですが、国に帰って何もできずに負けてしまってはそれこそ最悪です。ですから、少しの間私の国でお休みになって、万全の状態で国に戻られてはどうでしょうか?」

 その時は顔を合わせるのが少し恥ずかしかったのか顔を少し赤らめながらコクリと頷く。

 その反応に満足したのか、リョウマは再度立ち上がり、全員に向けて話し出す。

「よし、そうと決まれば早速私の国、カーロス国に向かいましょうか」

 リョウマは道を探すように顔をきょろきょろさせる。

「……道、どっちだっけ」

 それを聞いて衛兵はやれやれと言わんばかりに一歩前に出る。

「多少はわかってましたよ、では、私が案内いたします」



 数十分後、山道。

「この道で本当にあってんのかよ……」

 そう思うのも無理はない、なぜなら今向かっている道がどんどん狭くなってきているからだ。

「はい、この道をまっすぐ進むとちょうどほどよい大きさの平原に出ます。そこで一休みしてから再度まっすぐ進むともれなくカーロス国です」

「はぁ、はぁ、やっと、休めるんですね……」

 玲がそう言って少しふらつくとオリヴィアが慌ててその体を支える。

「大丈夫ですか?えっと、おんぶ……しましょうか?」

 何も言っていないのになぜかもうおんぶをする姿勢でこちらに目を向けてくる。

「あぁ、いえ大丈夫です。オリヴィアさんはシャリオンさんを運ぶので手いっぱいでしょうし……」

 オリヴィアは一瞬シャリオンを下すという悪魔のような考えが浮かんだが、すぐに我に返り玲の言葉に従った。

「そ、そこまで言うなら……仕方ありませんわね……?」

 そこまで言っていないのだが……まぁいいだろう。

 そんな話をしていると玲達を先導していた衛兵が立ち止まり、こちらを見る。

「さ、つきました。ここが先ほど言っていた休憩スポットです」

 見ると先ほど玲達が通ってきた道に比べるとかなり大きな平原に出ていた。

 各々が座り、シャリオンはオリヴィアが丁寧に下ろし横に寝かせる。

 全員が座ったことを確認たところで衛兵が話す。

「では、遅れましたがこれから少しですが、行動を共にするということで、自己紹介をしましょうか」

 そういいながらその近未来感を漂わせる兜をプシューと空気を抜くような音を立てながら脱ぐ。

 すると本当にその兜に収まっていたのかと疑問に思うぐらい長い金色の髪の毛が顔を出し、そのいかつい甲冑には似合わない端正な顔立ちに、何でも見透かせそうな青く輝く瞳を持った女性が現れた。

「私の名前はヴィーヴル・シャルールと申します、十年前カーロス国の衛兵となり、以来カーロス家の護衛を承っておりました」

 手のひらを胸に当て、一言一言を丁寧に置くようにして彼女は、ヴィーヴルは自己紹介をした。

 さすが王の側近の衛兵だなと感心していると、後ろからうめき声のようなものが聞こえた。

「お兄様!よかった、起きたんですね……」

 どうやらシャリオンがようやく起きたようだ、先のうめき声は起きた時に漏れ出たものだろう。

 それに気づいたヴィーヴルはシャリオンのもとへ歩み寄り、まだ万全ではないシャリオンを立たせまいと自らの膝を折り、そのばに片膝をつくようにして一礼をする。

「ようやくお目覚めのようですね。私はヴィーヴル・シャルールと申します。以後、お見知りおきを」

「あ、あぁ、よろしく、俺はシャリオンだ」

 少し困惑しながらもシャリオンは会釈する。

 先ほど我々にした自己紹介を少し簡単にした文をシャリオンに伝え、もう一度軽く会釈し、みんなの前に立つ。

「さて、シャリオン様も起きられたようですし、このままリョウマ国に行きましょうか?」

 少し間をおいてアリアドネが答える。

「あぁ、そうじゃな、ほれ、シャリオン行くぞ」

「え、えぇ!俺起きたばかりなんですけど……」

 泣きべそをかいていると横からオリヴィアがシャリオンの耳を軽くつねる。

「行きますよ」

「イデッ!なにすんだよ!……わかったよ、行くよ……」

 オリヴィアの圧に負けたのか、少し怒ったもののすぐに飼い犬のように従順になった。

「ふふ……」

「おぉ、強面だと思っておったが……かわいらしく笑うんじゃな!」

 それを聞いてヴィーヴルは再び真顔になる。


 歩き始めてから約十分後

「あの……今更なんですが……シャリオンさん?でしたっけ……」

 名前を言われびくっとなりながらシャリオンが答える。

「な、なんだ?ど、どうかしたか?」

「えっと、すいません、気のせいならいいんですけど……さっきからなんで私のことを見てるんですか?」

 何秒だろう、おそらく五秒もたってないのだろうが、少なくとも玲とアリアドネはそれが十分ほどに思えた。

 なぜなら、何かに気づいたオリヴィアが後ろからものすごい形相でシャリオンのことを見ているからだ。

「お兄様、ダメですよ」

「ア、アリアドネさん……なんで、オリヴィアさん……あんな顔になってるんですか……というか、何がダメなんです?」

 かなり小さな声で聞くと、アリアドネはかなり慎重に返す。

「……今にわかるさ……おそらく、いや、確実に……」

 その答えを聞くや否や、そのオリヴィアの忠告を無視したシャリオンが口を開く。

「その、ほら、かわいいな……って……はは……」

 皆が、主に玲とヴィーヴルが驚愕した。

 後ろでオリヴィアがおでこに手を当て、居心地悪そうな顔になっていた。

 おそらく一度や二度じゃないのだろう。

「あ~あ、言ってしもたの」

「ダメってそういう……」

 アリアドネ、玲、オリヴィアが呆れていると、後ろからリョウマがにやにやしながら話しかけてくる。

「さーて、どんな反応かね?」

 少しの間が、それもかなり最悪な間が開き、ようやく困惑していたヴィーヴルが口を開く。


「…………えぇ?」


(完全に呆れられてるしなんならキレてる!?)

「ぎゃはは!やはりの!そりゃ無理じゃて!」

 当然と言えば当然なのだが、ヴィーヴルの反応はかなり最悪なもので、額に青筋が今にもはち切れそうなほどたっており、片目はピクピクと痙攣している。

「ま、そうだろうよ、あいつ、毎回告られてはあんな反応するからさ」

「そ、そうだったんですね……」

 かなり不機嫌な表情になっていたヴィーヴルだったが、すぐに冷静さを取り戻し、振り返りながら歩みを進める。

「さ、そんな「冗談」は置いといて、行きましょうか」

(冗談で片づけられた!?)

 皆が戸惑いながらも歩みを始める中、シャリオンだけがその場に立ち止まり、わなわなと震えていた。

「え、えっと、シャリオンさん?だ、大丈夫……ですか?」

 するとシャリオンが俯きながらも素早く玲の両肩を鷲掴みする。

「うわ!え!ど、どうしました?」

「レイ……」

 そして、ようやくその俯ていた顔を上げる。

「あれは……恥ずかしい、だけだよな?」

「シャリオンさん……」

 泣いていたわけでもなく、悔しがっていたというわけでもなく、ただにやりと自信満々の表情でそう言った。


「…………その線は、ないと思います」

 今の玲には、その言葉しか絞り出せなかった。


「お、やっと来たか!おーい!レイ!こっちじゃよー!」

 あの後、なんとかしてシャリオンを落ち着かせることに成功した玲は、落ち込んでしまったシャリオンを担ぎながら皆の背中を追ってから数分が経ち、ようやく追いつくことができた。

 皆がそろったことを確認した後、ヴィーヴルは現在のスマホのようなものを腰の小さなカバンから取り出し、操作する。

「皆様、改めまして紹介します」

 振り返り、皆に向けて話し始める。

 何もないと思われていた景色に、だんだんと靄のようなものがかかり始め、それがかなり大きな問であることがわかるのに、そう時間はかからなかった。

 自動でその門は開き、ほどなくして全貌が明らかになる。


「ここが平和の象徴(ピジョン・シンボル)、カーロス国です」

皆様メリークリスマスです!

今年は何を食べましたか?よかったら教えてくださいね!


というわけで気を取り直してこんにちは!隠岐供契です!

今回の話も読んでくれてありがとうございます!

第十六話、いかがでしたでしょうか??

よければコメントやブクマお願いします!してくれたら作者が飛んで喜びます!

今回から登場人物がかなり多くなってしまうので、前書きに簡単な登場人物紹介を書くことにしました!

「別界勇者」は毎週金曜日の20時投稿です!乞うご期待ください!!

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