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来ない?


待っているだけだと、時間が長く感じる。見れる物がない僕は、客席を見渡していると、やけに人がいない場所があった。


「あの辺だけ人がいないね?」


「あれがいるからだろう」


ネアが言う先には、ローブを頭から被った5人組が座っていた。よく見ると、その人達を中心に空白地帯が出来ているようだった。


「暑くないのかな?」


夏の終わりとは言っても、日中はまだまだ暑い。それなのに、あんな格好をしていたら、見ている方としても暑い。


「暑くないんだろう」


ネアは、興味なそうに試合の方へと視線を戻した。僕も、おかしな人達と関わるつもりはないので、試合へと意識を戻した。


「それにしても、予選から出場何だね?」


ふと気になった事を聞いてみる。こういう大会とかになると、貴族とかは予選も免除になるのかと思ってた。


「公正に行っていますからね。大会などで、好成績を残していたら免除される事はありますが、そうでなければ全員予選から出場になります」


僕の質問に、リオ先生が答えてくれた。本戦しか行った記憶はなかったけど、兄様も、最初は予選からやったのかな?


「進行具合にもよりますが、予選は5日間の予定で行われますからね。剣術部門が終わった後、魔法部門も同じように予選を行います」


それぞれの予選をするなら、思ったよりも長い期間掛けてやるんだな。


「その間、学院はどうするんですか?」


「授業の出席は、免除されます。なので、参加者が多い予選の初日を、学院が休みの日に合わせているんです」


「そのおかげで、俺達もこうして来れるから助かるよな。まあ、サボってでも来たいけどな」


「教師の前で、堂々とサボる宣言するのは、どうかと思いますよ」


「き、聞かなかった事に…」


「仕方ないですね。今回は聞かなかった事にしましょう。本戦に進めば、応援にだって行けるので、サボるのは我慢して下さいね」


「本戦も、休みに合わせてやるんですか?」


「はい。生徒も見学出来るように、そうなっています。剣術も、魔法部門も、それぞれ1日掛けて行われますからね」


「前に来た時は、1日で終わってましたよ?」


去年来た時は、それぞれ半日で終わっていたような気がしたけど?


「去年までは、決勝以外、勝負が簡単に付いていましたからね。ですが、今年からは普通に戻るのではないでしょうか」


「ふ~ん」


よく意味が分からなかったけれど、去年までが特別だったんだって事は分かった。そんな事を話しているうちに、お兄さんの順番が来たようだった。


僕も、お兄さんが出ている時は、頑張って試合を見ようとはしたけれど、所々しか見れなかった。途中、危ない所はあったようだけど、今日の試合は無事に乗り越えたようだった。


「何か、喉が乾いたな」


今日の分の試合が終わって、会場を後にする時、バルドが溢した。言われてみれば、昼休憩の時以降、何も飲んでいなかった。


「なら、何か飲みますか?私が、ご馳走しますよ」


「「「本当!(ですか!)」」」


「はい。近くに、オススメの場所があるのですが、そこに行きましょうか?」


「「「はい」」」


みんなと話しながら、先生の後に付いて行くと、先生は何だか辺りをしきりに気にしているようだった。


「どうかしたんですか?」


「いえ、何でもありません」


「そうですか?」


何処か、焦っているような雰囲気を感じはしても、それ以上深くは聞かず、みんなとの会話に戻った。


もうすぐ日が暮れる事もあって、そんなに時間はなかったけれど、みんなと買い食いするのは楽しかった。今度は、みんなを誘って昼に来たいな。


「明日も、同じ場所に集合な!」


「分かった!」


バルドからの声に、返事を返しながら、僕は家へと帰った。


「今日は、楽しめたようだったね」


父様達に、今日の事を話そうと思ったら、父様の方から先に話しを振られた。


「はい!試合は、そんなに見れなかったですけど、みんなと買い食いとかも出来たので楽しかったです!」


「今度は、私がもてなすから、一緒に出掛けよう」


「良いんですか!?みんな喜ぶと思います!」


その後も、今日の事を一緒になって話した。でも、何故か、試合の様子までも知っているようだった。誰かから聞いたのかな?


次の日、待ち合わせの時間になっても、先生は一向に姿を見せない。


「先生、来ないね」


「先に行くか?」


「いいんですかね…」


「来ないほうが悪い。子供じゃないんだから、自分で何とかするだろ」


後ろ髪を惹かれる思いで、先に会場に入ったけど、、先生が現れる事は、最後までなかった。


お読み下さりありがとうございます

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