表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/305

やらかしてた!


「昨日、兄様に聞いてみたら、書庫に置いてある本は、好きに読んで良いって言ってたよ。でも、その日予定があるみたいで、僕以外、屋敷に誰もいないけどね」


次の日、僕は教室に来ていたみんなに、昨日の事を話して伝えた。


「ああ…。いないんですか…」


コンラットが、何処か残念そうにしている様子を見ると、父様達に会いたかったんだろうな…。まあ、憧れの人に会いたいと思う気持ちは分かるけど、せっかく許可を貰って来たんだから、まずは喜んで欲しかった…。


「別に、本を読みに行くんだから、留守でも問題ないだろ?」


「それは、そうですけど…。会えるかもと期待もしていたので、少し残念だっただけです…」


コンラッドの様子を見ていると、少しじゃない気がする…。


「ネアは、どうするの?」


父様達に会えないなら、来る意味がないかと思って、ネアにどうするのか尋ねてみた。すると、少し考えるような仕草をした後に言った。


「せっかくの機会だから、俺も行く事にする」


予定通りに、みんなが僕の屋敷に来る事が決まったけれど、その前に1つだけ聞いておかなければならない事がある。


「みんなは、僕の屋敷の場所分かる?」


「俺は、コンラッドと一緒に行くから平気だ!」


「人を勝手に当てにしないで下さい…。でも、レグリウス家の屋敷なら分かります」


「俺も、場所を知っている奴がいるから問題ない」


「なら、明日の昼過ぎに、僕の屋敷に集合ね」


「「「分かった(りました)」」」


みんなから返事を貰うと、僕の屋敷にみんなが遊びに来るんだって実感する。それにしても、学院に入るまでは、休みや曜日なんて気にした事なかったな。まあ、毎日が休みみたいなものだったけれど…。


学院は、週末と週明けが休みなので、明日から2連休に入る。


この世界は、全ての国で共通した週や月単位が決まっている。1週間が7日で、それぞれの曜日に、星の名前が付いて、太陽の日から始まり、土星の日で終わる。


太陽の日  

月の日   

火星の日  

水星の日  

木星の日  

金星の日  

土星の日  


1ヶ月は30日で12ヶ月あり、春夏秋冬のそれぞれの季節がある。


「俺、コンラッド以外の家に、遊びに行くの初めてだ!」


「あれは、侵入…。いえ、それはもう良いです…。私も、バルド以外の屋敷を尋ねるのは初めてです」


「俺は、色々と訪ねたことがあるから、初めてではないな」


「ネアは、色々な場所に行った事があるの?」


「住んでいる家が商人をしているからな、それもあって付合わされる事もある」


「ネアの家は商人をしているの?」


「それにしても、今日は俺の好きな歴史の授業もあるし、いい事が多いな!」


突然聞こえて来たバルドの一言で、僕は嫌な事を思い出した。


「歴史…。僕、苦手…。しかも、あの先生、厳しいし…」


「あの先生、リュカにだけ、やたら厳しめだよな?」


「何かしたんですか?」


「僕何もしてないよ!?」


コンラッドの言葉に、僕は慌てて否定する。


「この前の、図書館の件かもな」


「「「………」」」


やらかしてたよ!心当たりあったよ!!


「でも、コンラッドやバルドだって、一緒だったじゃないか!?」


「俺は、当てられても答えられるから」


「私も、特に問題なく答えられます」


「……。コンラッドはともかく、何でバルドが歴史得意なんだよ!?」


バルドも苦手だったら、僕の負担も減ったのに!


「え?だって、過去に活躍した騎士とか憧れね?俺、本を読むと眠くなるけど、騎士が出てくる伝記とか読めるんだ。だから、世界史も得意だぞ!」


自慢げに胸を張るバルドの横で、コンラッドは何処か冷めたような目で見ていた。


「それ以外の教科は、壊滅的ですけどね…。その2教科だけで、バルドはこのクラスに入れたようなものですし…」


「おぅ!算数とかは、まったく駄目だな!だから、担任のリオ先生が担当で助かった!」


「算数なら得意だったのに…。科目の担当、交換してくれないかな…」


「無理に決まっているでしょう…。授業で当てられても大丈夫なように、勉強するしかないと思いますよ」


僕、記憶系は苦手何だよね…。


「そうだ!コンラッド!僕に勉強教えて!」


「わ、私ですか!?オルフェ様とかに、教えて貰った方がいいのでは!?」


「兄様は、仕事とかで忙しそうにしてるから、頼み辛いんだよ!!」


「それは、そうかもしれないですけど…」


「お願い!!」


「わ、分かりました。本を読ませてもらうお礼に、私で教えれる事は教えます」


「ありがとう!」


まあ、本は兄様の物で、僕のじゃないけどね…。


「それで、今日の授業はどうするんだ?」


そうだ…。週末に勉強をしても、今日の授業は乗り切れないんだった…。


その後の歴史の授業で、先生に何度か当てられても何とか耐え抜き、僕はやっとの思いで週末を迎えるのだった。


お読み下さりありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ