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【完結】サバイバル奮闘記 転生悪役令嬢の逆転劇  作者: 多々野行人
第一章 メイン(乙女ゲーム編)
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6.根こそぎ奪え 

「ところで急いでいたんじゃ無かったのかい?.」

「そうでした、あちらの方向に船の残骸が流れ着いているみたいなのです」

「分かった、急いで向かおう」


結構離れているから声は聞こえていないと思うけど

私が取り乱してしまった分時間をロスしてしまった。


ピンク頭と脳筋と王太子は平気だと思うけど

宰相の息子ルイードなら、直ぐに私と同じ様に

資材の回収をしようとするだろう。


私と同じような『鑑定』スキルを持っていない分、

この島の状況を把握するのに時間がかかるはずだが

回収するなら早い方がいい


運良くと言うか、重さの違いからなのか

船の残骸は、私達と離れた部分に流れついていたみたいだ


「しっかりつかまて」

「え?あ、きゃ」 


お義兄様は、所謂お姫様抱っこをして

風の魔術を唱えると凄い速度で私が指した方向に向かった。


少し、いえかなり恥ずかしいけど

今はそんな事を言っている場合では無い


向かった先の波打ち際に

私の背丈より少し大きいサイズのコンテナがあった。


今回王太子のバカンスにのる船だけに

結構な豪商の船が選ばれた様だ。


金持ちの商人が所有する船の多くは、

沈没した際に財産を守るため

船が沈んだ際も倉庫の一部であるコンテナが

船体から切り離されても独立して浮いて中の積み荷をまもる構造になっている。


お義兄様が魔法でコンテナを壊して中を見た途端満面の笑顔で笑った。


どうやらかなり当たりのコンテナが運良く流れついた様だ。

中に入っていた金庫?もはや宝箱を開けると中から少し大きな鞄を取り出した。

「お義兄様、それは?」

「私が功績を上げて筆頭魔術師になった際に

陛下から下賜して頂いた魔法の収納鞄だ。


流石に国宝級のものほどでは無いが

それでも、そこそこの荷物が入るし

今回は最悪の場合は、逃走の際に野宿する可能性も十分あったので

野宿用の荷物と魔術道具をいれてある。

まだ十分あきもあるし、これがあれば手早く必要な物を根こそぎ奪える。」


くくっとお義兄様は笑った。


だが私も大いに喜んだ、

無人島でしばらく生活するのに、

布切れ一枚でも貴重品なのだ。


あらかたそのコンテナに積んでいた荷物をバッグに詰め込むと

近くにもう一個流れ着いていたコンテナからも荷物を確保して

そうそうにこの場所から離れる事にした。


私達が資材を独り占めをしているのがバレたら

当然、相手はこちらから荷物を奪おうとするであろう

いくらお義兄様がいるとはいえ、多勢に無勢は如何ともしがたい。


最後に今回二つめのコンテナの檻の中にいたワンちゃんをどうするかで揉めた。


下手に戦力になる生き物だった場合を考えれば、

相手側に渡したく無い。

かと言って得体の知れない動物を手元におきたく無い

この場で始末してしまうのが最良だ、お義兄様はそう主張した。


もちろん兄の言い分は非常に分かる。

この非常時だ、私だって状況によっては、

聖女の取り巻きの男を殺す覚悟もしていた。


だが生まれたばかりで、私の髪と似た色の毛並みのこの子に

親近感をおぼえた私は保護したいとお願いした。


言い争っている時間もないので、私はダメ元で可愛いらしく?

上目遣いでお願いしたら、お義兄様は直ぐに折れた。


何故だろう?周りに女の子がいない環境が

種の保存をしようとする原始的な本能で

私の容姿でもここでならイケるのであろうか。


魔法鞄に生物は入れられないらしく、

子犬を抱きしめた私をだいて移動するという

この状況に非常ににつかわない微笑ましい格好で急いでその場を離れた。


途中で恐らく宰相の息子の物であろうメガネも拾った。

伊達メガネなので無くてもダメージがないのが悔しい

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