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55.聖女リリーナ

デューク達は、今までの成行きを噛み砕いてリリーナに話した。

「そうですか、色々ご迷惑をかけてしまったようで、申し訳ございません」

「いやまあ、君がやったと言えば、君がやったんだが、

君では無い君がやった事のようだし、気にするな、言ってる俺もややこしい」


「ありがとうございます」

デュークの気軽な物言いに少し気持が軽くなったのか、

リリーナは微笑みながらそう答えた。


「ところでリリーナ侯爵令嬢」

「いえ、こんな小島で侯爵など意味がございませんので、

リリーナと呼んで頂ければ」


「そう言って頂けると助かります、

聖魔法は使えるのでしょうか?

先ほど一瞬使われた気がするのですが」

「はい、少しばかり怠惰な生活をおくってしまってたようで、

神聖力は少しばかり落ちてしまっているようですが、

いずれ以前と同様に戻ると思います」


「それは、助かりますね、一応薬草などは集めているのですが、

聖女の毒消しや回復魔法があると心強いですので」

「問題はルシエルに近づけ無い事だな」


「ルシエルさんというとデューク様の妹さんでしたっけ?」

「ああしかし今は、俺とルイードの妻だ」

「はい?」

「何だかんだありまして」

「まあ法律的にも教義的にも問題は、ありませんが、

若いお二人のお相手ですと体力的に不安があると思いますので、

くれぐれも無理をさせないで下さいね」


「そこは、安心して下さい、しっかりと計画をしていますので」

「......ルイード様の計画と聞くと少しばかり怖いですが。

あと、ルシエルさんにはいずれ近づける様になると思います」


「それは本当か?」

「契約魔法は呪法に近いので、断言はできませんが、

神聖力で徐々に薄れさせる事は出来るかと思います」


「そうか助かる、無理しない程度によろしく頼むよ」

「はい、元はといえば私の責任ですし」


「ところで、リリーナさんは平気何ですか」

「私ですか?」

「ええ、婚約された王太子と同じ部屋で過ごす事になると思うのですが」

「俺近くに小屋作ってそこに住むか?」


「やめて下さいダン様、今その気くばりは逆に辛いです。

うーん、普通に考えますと、侯爵家の私がハーレック王太子との婚約を、

一方的に破棄は出来ません、ですが王太子の愛していた私は私じゃないんです」


「そもそも王太子って、聖女の事を愛していたのか?」

「デュークさん、そういうところですよ、

リリーナさんがショックを受けてるじゃないですか」


「せめて、そこに多少の愛はあったと信じたかったです......」


デュークの容赦ない言葉に聖女はうなだれてしまった。


「まあまあ、まずは私達の拠点に戻って、

王太子に説明しないとね、

あと今の段階でどれ程二人が近づけるの確認もしておきたいですし」

「...ええ、誰にも愛されない私が、

二人の旦那様に愛されているルシエル様に近付くなど恐れ多いですが」

「あ、以外に根に持つタイプかも知れません、デュークさん早めに謝って下さい」

「ぐ、すまなかったリリーナ嬢」

「ええ平気ですよ、勿論」


少しばかり怖い笑み浮かべたリリーナをみて、

以前の聖女の様に雑に扱うのは辞めようとデュークは決めたのだった。

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