22.二人目の仲間③
「戻りたくない理由も仲間が増えるメリットも理解できる
だがルシエルの側に男を近づけるのがいささか不快だな」
「いやいや、基本特殊な例外をのぞいて
この世界には、男と女しかいないんですよ。
しかもこの島には、ルシエルさんの他は、
ルシエルさんを狙っている聖女しかいないんですよ。
誰と手を組むつもりなんですか」
「まあ分かってはいるんだがな、では取引内容を提示してくれ」
「まずは、前提条件として魔法契約書を一枚持っていますので、
契約書に今後三年間故意にルシエルさんに害を与えない、
帰国後にルシエルさんの冤罪を晴らす協力をする
この二点の契約をします、そこまで上質な契約書では無いので
永遠にとか、思いを寄せないとかの曖昧な契約は結べません。
ここまでは、良いですか」
デュークは、話の内容に無理が無いので頷いた。
もっとも、魔法契約書が一枚しか無いとは思ってはいないが
ここでそれを指摘しても水掛け論になる
「ここからは、口約束となってしまいますが取り引き内容として
こちらの要求としては、私をあなた方の仲間に入れてもらう事の一点です。
仲間というのは、あなた方の能力の開示、衣食住やアイテムの共用も含みます。
勿論個々の所有すべきアイテムは、その使用権を主張したりはしませんし。
随時お互い誠意ある条件の見直しもありです。
細かな話しとなりましたが、仲良くやっていきたいという事ですね」
ルイードはここまで話した後にデュークの顔を見て
大きな否定感がない事を確認して話しを続けた。
「次にこちらが提供できる物は、
私の協力ですね。
まずは、具体的に島に流れ着いた後のかれらの状況
私の能力、彼らの能力の予想、彼らの能力の予想は期待しないで下さい。
デュークさんの予想と概ね一緒でしょう、多少補足出来るかも程度です。
次にコンテナの積荷の数とその概要
リストで確認しただけの物や積荷を直接私がチェックしたものもありますので
信憑性に欠ける情報もあるかもしれませんが。
その情報の中には、その生き物の情報も多少ですがふくみます」
ルイード様はチラッとルー君のことを見てそう言った。
「まあ妥当なところか、こちらももう一人仲間が欲しいのは事実だし
その相手が陰険キザサド腹黒伊達メガネなのが多少気になるが仕方ない」
「先程聞いたあだ名より酷くなっていますね。
ですが誰が私にそんな不名誉なあだ名をつけたのか謎が解けてスッキリしましたよ
貴方にだけは性格を否定されるのは納得はいきませんがね。
では、取引成立ということで魔法契約書を書きますので
問題無ければルシエルさんのサインをして下さい。
デュークさんのサインだとデュークさんが死んだ場合に
契約内容が破棄されてしまいますので」
その後、お義兄様と一緒に確認して
ルイードさんの作成した契約書に
不備がなかったので魔法契約書書にサインをした。




