17.サバイバル生活 二日目 ルシエル②
落ち着いた所でルシエルとデュークは
お互いの能力について話し合った。
まずは、ルシエルの『鑑定』
単純に説明すると触れた物の情報を収集する能力。
対象の範囲や情報量により日に行える回数や精度が変わる。
例えばリンゴに手を触れてリンゴに『鑑定』を行えば
リンゴのかなり緻密な情報を確認できる。
確認出来る回数も多い
逆に地面に触れて島などの広く複雑な『鑑定』をした場合は、
ルシエルから円状に情報が収集されて円の中心ほど情報量は増えるが
例えば生き物がいる程度が光の点によってわかる程度となってしまう。
範囲も島全体を確認する程の広さは無理で
鑑定範囲外はブラックアウトしてしまう。
厳密な条件は分からないが、一日に一回程度しか使えない
デュークの使える能力は『錬金』
その能力により物資の構造を変化させて違う物質を作り出す能力
有名なのが鉄を金に変えるなどであるが単体の物質を別の物質に変化させるには
物質の原子配置を理解して、別の原子配置に配列を組み替える必要があり難易度が非常に高い
故に『錬金』で行うのは、ある物質とある物質を組み合わせて別の物質を作り出す
単純にいえば、水の中に砂糖をいれて砂糖水を作れる能力
そう言うと軽んじられるが、器具など不要で作れるし
新しい開発などの試行錯誤もある程度省略出来る優秀な能力で
過去にこの能力を持っている人間は何人か歴史書に残っていて
文明の父とまで言われた人物が多い
だがある程度文化が発達し、基礎教育レベルも上がったので
特殊な能力を持つ人間を探すより、万人が人海戦術で時間をかけて
トライ&エラーを繰り返した方が能率が良いと判断され
能力保有者の存在も分からなくなってしまった。
質の良い拠点は確保出来たが聖女達から奪われない様にしないといけない
ルシエル自体に戦闘能力がない以上は
拠点に残ろうが、探索にいこうがルシエルを狙われた段階で終わりである。
結果として、仲間がもう一人増えるまで、近場の湖までの探索に止める事にした。
具体的には出かける前に広範囲の『鑑定』をかけて
拠点近くに人間の集団がいないかを確認。
湖や道中などに目ぼしい物があれば個別に鑑定
一回の探索で二回程度中規模の『鑑定』をかけて生物が拠点に向かってないかの確認
食材の確保は当面それで平気だが、この島の四季が分からない
サバイバル生活が伸びる事を想定して
冬などに備えて食料の備蓄も考えなければならない
ちなみにフェンリルはボーナス特典だけあって
ある程度直ぐに育ち、拠点の防衛、食糧の確保、相手プレイヤーとの戦闘と
満遍なく優秀なのだが過保護なルシエルによって癒やし要員としてしか活躍できていなかった。




