15.サバイバル生活 二日目 ルシエル①
無人島で過ごしたとは思えない程
快適な朝を迎えたルシエルは
デュークの用意してくれた水で身支度をして
昨日確保しておいた資材の中で
日持ちしない食料を優先的に選んで食事を済ませた。
まずは拠点となる洞窟の整備から着手した。
思っていたよりも広い空間があり、
奥には確保したシーツを使えば簡易な個室ができそうだった。
そしてデュークの偉大さをルシエルは改めて知った。
まずは風魔法で洞窟内のホコリやゴミなどを吹き飛ばした。
次に火魔法で洞窟内の消毒と乾燥を行い
最後に土魔法で念入りに圧縮した床や壁は
もはや土というより大理石のようだった。
ここまでかかった時間は、僅かに30分ほどである
あまりの事にルシエルはデュークにしがみつき
凄い凄いを連発していた。
「これだけじゃないんだよ、
今回最悪の状況を想定してサプライズを用意してあるんだよ。」
「これ以上のサプライズがあるんですか?」
ルシエルの美しいキラキラ光る瞳に満足して
デュークは、洞窟の奥の個室になりそうな部分に
魔法鞄の中から上板を切り抜いたワイン樽と
椅子の様なものを設置した。
「簡易風呂と簡易トイレだよ
タルは下部のワインを拔く栓から排水が出来る。
簡易トイレは、室内でも使えるようにした
持ち運び可能なトイレだよ」
ルシエルは余りの事に声も出なかった
「簡易トイレは、女性騎士達からの強い要望で開発していた
まだ試作段階レベルだけど機能的には問題ない。
基本構造は、単純で特殊な改良を施したスライムを
下位のユニットに入れて
上部に魔物が近寄れない特殊なコーティングをした
磨いた石を結合しただけ。
この構造により、スライムは下部のユニットから
抜け出せない様になっている。」
あまりの感動に打ち震えているルシエルにデュークは
「私は優秀だろ、お嫁さんに来ても良いと思うくらいだろ?」
ルシエルは、何も考えられずに、迂闊にもコクコクと頷いてしまった。
(今手元に魔法結婚誓約書があれば勢いで行けたのに
宰相の息子のルイードなら白紙の契約書の一枚くらい持っていそうなのに
本当に使えない伊達キザサド監禁癖男だ・・・)
これだけ準備万端なお義兄様が
何故自分の衣類を用意していなかったのか
興味が湧いたので後に聞いてみたら
理由は酷く単純で納得行く答えが返って来た。
今回急で極秘裏の行動であった為
王城の誰が信頼出来るかまで分からなかったから
理由を話すわけにもいかなかった。
かと言っていきなり女物の洋服や
あまつさえ肌着を欲しいとは言えなかったらしい。
不出来な義妹の為に苦労させてしまって申し訳ありません・・・
義兄様様がメイドに下着を要求する姿を想像して
居た堪れない気持ちになってしまった。




