陥落_3
助けに来る者がいなくなり、
大佐は自分で部屋を出ようと
隅を這っていった。
「おのれ、やはり罠だったか。
まんまと敵に利用されおって
馬鹿者が! 後で処刑してやる!」
おそらくは敵の魔法のせいで
動かない足を引きずり、
なんとか扉の前までたどり着いた。
ここでノブを回すために
立ち上がらなければ
ならないのだが、
その前に扉が開いた。
「おお、良いところに来た。
早く俺を助けろ!」
まさに渡りに船といった状況で
大佐は相手を見ず、助けを求めた。
「ああ、いいぞ」
この地で一番地位の高い者に
横柄な態度を取った男は
大佐の襟首を掴んで吊り上げた。
「何をする馬鹿者が!
俺を誰だとーー」「あん?」
顔を目の高さまで上げられて
その馬鹿者と目が合った。
「お前が誰だかは知らんが、
俺はなんだと思う?」
「あ、いやぁ」
聞くまでもなく
視線だけで分かった。
この男が隣の砦を消し、
能無しの部下を送り返した
主犯であると。
そう思わせるだけの暴力性と
悪辣さを感じた。
「ちょっと話そうか」
せっかく開いた扉は
よそ者の侵入を許して、
再び大佐を閉じ込めた。
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