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ラントは掴みあげた兵士を下ろし、
肩に手を置いた。
「己の責務を果たそうとする者は
嫌いではない。ただし」
今度は体の側面を掴み念を押す。
「伝えたらすぐ他の場所へ向かえ。
でなければ、まあ。分かるな?」
「は、はい」
少し脅されもしたが、
兵士は緊張しながら答えた。
「そうか。ならまぁ頑張れ」
つかんだ手でそのまま後ろを向かせて
背中を軽く押した。
結局、ただ励まされただけだった
接触に面食らったが、
連れた兵士たちと共に帰投した。
「意外と人の心はあったみたいね。
無傷で返してくれるなんて」
全滅はなくても数人は見せしめに
殺すと踏んでいたが、
何も起こらなかった。
あまりにあっけなく終わった
話し合いにヒメは安心した。
「本当に俺が善意だけで
帰したと思うか?」
「え?」
不穏な発言にヒメは身を
こわばらせる。
(さて、どうでるかな?)
ラントは今後の展開楽しみそうに
想像を思い描いていた。
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