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接戦_8

振り返ったヒメは

自分の迂闊さに気づいた。

「抵抗するな!」

そう要求する兵士の腕の中に

アイサが捕まっていた。

「大人しく投降するなら

身の安全は保証してやる」

「くっ」

アイサを掴む兵士を

隊列が二重に守る。

迂闊に飛び込むことが出来なかった。

親しくはないが同じ国の人として

アイサを見捨てられない。

ヒメは大人しく、両手を上げた。

「まだまだっ!」

「ちょっと待て!」

ラントは変わらず、敵に手を上げていた。

「貴様! あれが見えないのか。

人質を取られているのだぞ」

暴れ続けるラントを咎める声が

残った砦の窓から聞こえる。

鼻の下のヒゲだけが立派で

他はガリガリの男が窓に身を乗り出している。

「あん? 何か言ったか?」

「人質を取られているのが分からないのか!」

再度言わせて聞き取ったラントは

つまらなさそうに答える。

「そうだな。それがどうした」

「投降しろ」「却下!」

ラントはくいぎみに断り、

攻撃を再開させた。

読んでいただきありがとうございます。


今後も掲載する予定です。


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