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召喚者_6

他が膝を着くなかで

一人の魔術師が立ち上がった。

「嘘だろ! 本当は弱いから

戦いたくないと言っているんだ!」

「何だと?」

男の目付きが険しくなる。

しかし、魔術師は

さらに糾弾する。

「だいたい俺はおかしいと思ってたんだ。

単身で龍を倒したとか海を割ったとか。

大昔の文献なんてほとんど

自分を強く見せたいだけの

出鱈目に決まってる! この腰抜けめ!」

「口には気をつけろよ小僧。

誰が腰抜けだ。ここで殺してやろうか!」

「何度だって言ってやるよ、腰抜け!

原始人の自分で今の戦いについていけるか。

不安で不安で仕方ないんだろ」

言っているうちに罵声が強くなっていき、

男は歯ぎしりを鳴らす。

「なんてな」

「!?」

しかし、男は平然と眉間のしわを消した。

「安い挑発だ。本心で言っていないだろう」

「な、何を言い出す」

「目が泳いでるぞ?」

魔術師は図星を疲れて後ずさった。

「どれだけ経とうと本質は変わらんな。

心の動きは目で分かる。

おおかた、俺の反応に応じて

それぞれの役が振られていたんだろう」

子どものいたずらだな、と

男は静かに笑った。

「いいだろう。その安い挑発に乗る。

望み通り、お前たちの敵を倒そう。

だがその前に、お前たちの国を亡ぼす」

「なんだとっ!」

自分たちを救うために呼び起こした男は

凶悪な笑みを浮かべて牙を剝いたのだった。

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