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襲来_5
浮遊感は一瞬だけ。
自分を支える物がなく、
腕と足をバタつかせることに
何の意味もない。
早く地表に帰りたいと願った。
加速度毎秒9.8メートルで
その願いは達成されるが
触れたら最期、真っ赤にはじけて死ぬ。
ヒメは恥も外聞もなく、
みっともない悲鳴をあげる。
「わめくな。たかが落ちるくらいで」
とラントは軽く言うものの、
相対的に早い向かい風で、
いつ意識を飛ばしてもおかしくはない。
「もう少し角度を抑えるか」
ラントが手をかざすと、
そこに爆炎が生まれた。
反発する力が三人の進路を変える。
「先に行く!」
「えっ! なんて?」
ラントは岩を足場にして飛び出した。
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