襲来_3
「分かった。なら選べ。
これに乗って行くか、そのまま行くか」
まず、行きたくない。
が、それは出来そうになかった。
ヒメはしぶしぶ中に乗り込む。
その間、ラントは行き先の方向を確認していた。
乗り込んだヒメは
布団から顔だけ出して話しかける。
「ねえ、3で行ってくれる?
『1、2の、3』の3で」
「なに? 注文の多い奴だな。
仕方ない。特別にしてやろう」
ヒメはゆっくり息を整えて
心を落ち着かせる。
「よし」
覚悟を決めたとき、岩の球がかすかに揺れる。
「え」
「いぃちっ!」
女子二人が乗る岩を
ただのボールのように蹴りあげる。
足の甲にやさしく乗せて、
送り出すように空へ打ち上げた。
急激なGに押され、ヒメは話せない。
「2の」
まだ地上に立つラントは膝を曲げ、
脚に力を込める。
「3ッ!」
の掛け声で、地表にヒビを残して姿を消した。
ラントは自分が蹴った岩へ向かって跳んでいた。
激しく乱回転する岩に触れ、
指先でとっかかりを見つけると、
そこを掴んで岩とラントが接続される。
「イヤッホー」
「嘘つきぃ!」
星になる岩とともに
ヒメの叫びが空へ消えていった。
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