召喚者_4
「時間がいるだと!?
そうか。なるほど、良く分かった」
いきなり怒り出したのと同じように
男の期限はすぐに収まった。
「それで? 不十分な状態で起こされた俺に
いったい何をさせるつもりだ?」
「戦鬼様に倒していただきたい奴らがおります」
「ほう。それは俺好みの頼みだ。
言ってみろ」
「はい。その者たちは現在、我々と戦う連合国の者です。
技術力や歴史も少ない蛮族ですが、特攻を前提とした
人海戦術によって我々は窮地に立たされております。
人の命を使い捨てにするような奴らをのさばらせるわけには
まいりません。どうかお力添えをいただきたく存じます」
「そうか。良く分かった」
男は腕組みして考えた。
呼び起こした男の素性を知らない魔術師たちは
男が次に何をしでかすか、
固唾をのんで待っていた。
「ふむ。いい話だ、面白い」
「さようでございますか」
「ああ。特に倒す敵がたくさんいるのが好ましい。
弱くても何度も戦えるのはとても良い。
すぐに終わってしまってはつまらんからな」
「それでは聞き入れてくださるのですね」
「うむ」
思ったより好感のある返事を聞けて
心から安心した。
しかし、それは本当に一瞬だけだった。
「断る」