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悪手_2
付き添いが王子の足元でひざまづく。
「僭越ながら王子。あの狼藉者は
今、我々で討つべきです」
自分たちへの待遇に怒る付き添いは
なんとしてでもラントを討ちたいようだった。
「あのようないい加減で
見かけだけの男が強いとは
到底思えません。
敵とはいえこの国の魔術師の実力は
評価しておりました。
それがあんな蛮族にやられるはずがありません。
きっと卑怯な手を使ったに違いありません。
今、ヤツに手が届く場所まで踏み込んだ我々が動けば
最小限の犠牲でこの国を落とせます。
そのあかつきには連合国、いえ全世界に
王子の名が響き渡ることでしょう。
なにとぞご再考を」
付き添いは顔を伏せて王子に頼んだ。
「……不甲斐ない男ですまない、爺。
それはできない」
しかし、王子はかつての呼び方で付き添いに謝った。




