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攻め手_1
過激な内容の話が終わり、
使者たちが宮殿の外を歩いて行く。
その背中をラントは窓越しに見ていた。
「欲のない奴だ。くれてやると言ったのだから
もらっていけばいいものを」
「正気とは思えないからよ」
見送るラントの背後から
しかめっ面のヒメが話しかける。
元は自分の国を売られたのだから
仕方のない反応だ。
しかし、反抗するには力が足りない事を
理解していた。
「私だって何か裏があるんじゃないかって疑うわ。
実際のところ、どういうつもりで言ってたの?」
「言っただろう。友達になりたいだけだって」
「そんな嘘は聞いてない」
ヒメはラントの軽口を聞かず、ぴしゃりと言った。




