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隣国の使者_4
驚く使者たちに立てた人差し指を見せる。
「ただ。俺個人はともかく他はそうではない。
さしあたって一つだけ頼みたいことがある。
それらを鎮圧する部隊を適宜送り込んでほしい」
「ちょっ、ちょっとお待ちを!」
自分だけで話を進めるラントに使者が待ったをかける。
「申し訳ありません。
おっしゃっている意味が分かりません。
あなたは何をされたいのですか?」
「お前たちの望みを叶えてやろうと思ったまでだ」
「そこに何の利益があるのですか!
我々ではなく、あなたにとって」
世の中には売国奴もいる。
しかし、わざわざ自分で奪った国を
すぐ売りに出す者はいない。
リターンに対する手間がかかりすぎるからだ。
「さきほどそちらから言っただろう」
ラントは開いた手を使者に差し出した。
「俺は、お前たちと、良き友人に、なりたいだけだ」




