45/301
滅んだ国_2《魔法使い編》
次に兵士の数を大幅に減らした。
貴族から奪った金を配り、ほとんどを退役させた。
こちらの反発は少なかった。
目の前のお金で納得したこともあるが、
たった一人に負けてしまったショックで
やる気を失くした者が多かったからだ。
それから数日、ラントは
寝る間を惜しんで待ち続けた。
自分でも暴政と思えることをした。
誰かは怒り狂って歯向かってくるはず。
しかし蜂起も暴動も起こらない。
乗っ取りから三日もたつと
誰もが普通に生活していた。
少し前の襲撃が嘘みたいに平和で、
耳元で鳥のさえずりさえ聞こえていた。
「やはりこちらから打って出るべきか」
ランドがそう呟いたとき、
下から彼を呼ぶ声がする。
「ラント様、連合国から使者が来ました」
その知らせを聞いて、
新しいおもちゃを見つけた
子どものように喜んだ。




