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滅んだ国_1《魔法使い編》
魔術士の国、ウィザルド王国が滅び、
ひと月が経った。
日差しの強いなか、
征服者ラントは屋根の上で座っていた。
膝を抱えて流れる雲の数を数える。
国を滅ぼし奪った者としては呑気な姿だった。
「暇だ」
国家を相手にしてもほぼ無傷の男は
いま退屈で死にそうになっている。
やれることがないからだ。
まず、ラントは最初に
貴族たちの取り組みを聞き出した。
中には違法行為やグレーな行為をする者もいて、
隣で書き留めさせていた、
元ウィザルド王国の姫『ヒメ』を怒らせていた。
対して、聞き出しているラントは全く怒らない。
何の罰も与えず、むしろ賞賛していた。
貴族たちもそれで機嫌を良くして
事細かく話す。
後にその悪政で搾取されるとは
考えていなかった。
「呪ってやる! 呪ってやる! この悪魔め!」
政務のマニュアルを作り、
用済みになった貴族たちは全員、
ある程度の金だけ渡して追い出した。
数人、立ち向かった者もいたが
1秒もかからず殺してしまう。
貴族たちは圧倒的な強さに怯えて逃げだし、
ラントはつまらなさ過ぎて追わなかった。




