終戦_5
貴族たちの呼びかけで
兵と国民が宮殿前の広場に集められる。
その前でヒメに戦争の顛末を話させ、
群衆に敗北を知らしめた。
「ということで愚民共。
ウィザルド王国は消滅し、
ここは新・ウィザルド王国になった。
盛大な拍手で喜べ」
国民たちは困惑していた。
正体不明の男にいきなり
そんなことを言われて戸惑うのは
仕方ないことだった。
「そうか。嬉しくないか」
しかしそれもラントが睨みを利かせるだけで、
強さを知る兵や貴族たちから喝采が起こる。
国民も、よく分からないまま、拍手を始めて
形として建国を喜ぶ場になった。
心にもないことを強要させる男を見て
ヒメは罵倒した。
「悪魔め」
冷たい視線で、逆に悦に入るラントは
笑って答えた。
「よく勘違いされるが俺は
悪魔でも化け物でもない。ただのー」
その時、ヒメは一瞬目を疑った。
「人間だ」
そう言うラントが
おぞましい何かに見えたのだった。
斯くして、千年続く王国はたった一人の手で
わずか二日で滅亡したのだった。
この話で《魔術士編》が終わり、
次話から《魔法使い編》が始まります。
たった一日の話が長くなってしまいました。
次話からも読んでいただけるとうれしいです。
今後も掲載いたしますので
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