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決戦_10
にやりと笑うラントは王に言った。
「やはり複数の魔術を使っていたか。
なにが幻が実体に影響させる、だ。
騙しおって」
「どう解釈するかは自由だが、
私よりその娘の言を信じられるのか?」
「ああ、信じられる。
お前が俺に真実を語るメリットがないからな」
王は心中で舌打ちする。
アリサの言葉は正しかったからだ。
「仮に、そうだとして。
だからなんだというんだ。
この状況は覆らないぞ」
「そうでもない」
結界による拘束を受けているはずなのに
ラントはゆっくり手を伸ばす。
いばらの皮を撫でるように動かす。
そして、実体のないそれを握った。
「!?」
ありえないと王は驚いたが、
確かに握っているように見える。
「ぬんっ」
ラントが触れた部分からいばらの蔓が
枯れ落ちていく。
「どうだ、ここまで出来たぞ。
次の手を出せ」
白く眩しかった宮殿が暗くなっていく。
まるでラントの邪悪さが
侵食していくように王は見えた。




