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決戦_9
数え切れないほどの戦場に立った。
何度も蹂躙し、何度も勝ち誇った。
そして負けることもあった。
ラントにとって今の
手も足も出ない状況は
初めてではない。
だから、どうすれば良いかを
ラントは知っている。
「なんでもいい。
この魔術のいばらについて
思うところを言え!」
ラントはアリサに助けを求めた。
「これはウィザルド王家の秘術。
簡単に見破れるものではない」
「どうかな?」
アリサは少し考えて話し始める。
「これは一人を対象にする魔術。
いばらは幻で魔力の流れを可視化させた幻
だと思います」
そこまでは王が言った通りだ。
「しかし、拘束する力はないと思います。
ラント様を拘束している魔術は
この宮殿に仕掛けられた結界によるものと
思います」
「そうか!」
返事をしてしばらく、そうか、と
小さい声で何度もつぶやく。
「そうか」
最後の一言を呟いたとき、
ラントの目が爛々と光っていた。




