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決戦_8
激しい痛みが増していく中、
ふと昔を思い出してラントは笑った。
「なにが可笑しい」
「いや、たいしたことではない。
俺は強かったな、と改めて自覚しただけだ」
「強『かった』。過去の話だ。
今は違う。これから負ける」
「ははははは」
ラントは爆笑した。
「お前、まさか俺が一度も
負けたことがない、と思っているのか?」
「そんなはずがない。負けることで
弱点を見つめ直し、さらに強くなる」
「違う、やはり根本から間違えている。
自分を極限まで強くしようと
必ず勝てるはずがない」
ラントはすうっと大きく息を吸い、
宮殿中に声を響かせる。
「アイサっ、なんとかしろ!」




