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決戦_5
余波で毒霧も晴れ、
空には岩のついでに雲一つ残らなかった。
「さすがに逃げたか。正しい判断だ」
自分への視線を感じない。
ラントは拳を下ろした。
「来いアイサ。残念だが次で最後だ」
二人は首都中央の宮殿に向かった。
大きく豪勢な扉を開き、
二人は宮殿の中に足を踏み入れる。
「もう少しまともな出迎えはなかったのか?」
大広間に出てラントを待っていたのは
この国の王、ただ一人だった。
「お前だけで倒せるのか?
それとも他は逃げたか。
実はお前より強い奴が待っていたりするのか?」
「いいや。私が一番強いわけではないが
他の者は下がらせた。
これ以上犠牲になることはない」
「民のために、兵のために、臣下のために。
己の命を差し出すか、王よ。
立派な心意気だ。だが容赦はしない。
戦え。結果によっては
あるいは助かるかもしれない」
「なるほど。しかし、
今さら自分の命を惜しんだりしない。
そんな歳でもない。だが」
王の錫杖が床を突く。
そこから光の輪が広がり、宮殿を輝かせた。
「貴様も道連れにしてくれる」
宮殿の内と外の壁、床、天井から
光のイバラが茂った。




