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召喚者_1
石の中の長い眠りから覚めた男は
体のだるさを感じていた。
「一体、どれほど眠っていたのやら」
封印されていた場所は洞窟の奥底で、
世界がどう変わったか全く分からない。
「それで? なんだ、お前たちは」
ローブで顔を隠した集団が
自分の顔を見てざわついている。
男は不愉快な気分になっていく。
「なんだ、お前たちは」
目障りな虫は叩いて潰す。
それと同じことを男はしようとした。
だがその前に一人の老人が
膝を着いて頭を下げた。
「私めはウィザルド王国の
特別魔導機関の者です。
無礼を働き申し訳ございませんが、
戦鬼様にお願い申し上げたい義がございます」