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決戦_4
アリが自分なら象のように巨大な岩が
押し潰さんとする。
ラントは渾身の力で殴る、自分の顔を。
「ぶっ」
顎が飛び、首から千切れそうな
嫌な音が鳴る。
「くーっ。効いた。さすがにやり過ぎた」
両手で頬を叩き、気付けをする。
そうしてある間にも大岩は飛来し、
目と鼻の先にあった。
「ふんっ」
足を開いて岩の角に触れる。
大岩の全質量がたった一人の体にかかり、
地面がひび割れる。
「どっっっせえいっ!」
降ってきたそれをラントは空へ投げ返した。
「しゃらくせぇ!」
岩を追うように拳を突き上げる。
今度の一振は正真正銘、
ラントの全力で放たれたものだった。
いろんな物を巻き上げて、
巨大な風の柱が大岩を飲み込む。
衝撃で粉々に砕かれ、そのままどこか遠くまで
飛んでいってしまった。




