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決戦_3
不自然に連れを置いていったのだから
ラントは魔術師の待ち伏せに気づいている、
そう理解しているはずだが、
魔術師側からは一向に仕掛けてくる様子がない。
「こちらから仕掛けるか? おっと?」
突然、ラントの足がもつれた。
攻撃されておらず、ただの平地で
そうなった理由を瞬時に見破った。
「毒か」
おそらく今の自分は無色無臭の毒の霧の中にいて、
体の自由を奪われているのだろう。
踏ん張ってみるが加減が分からず
千鳥足になる。
明らかな隙をついて魔術師たちがたたみかける。
撒いた霧を無駄にしないよう、
強力だが静かな攻撃で敵を仕留める。
空気抵抗の少ない風のギロチンが
ラントを切った。
その結果を目撃した魔術師全員が戦慄した。
確かに切りはした。
しかし、薄い線が表面に入っただけである。
決して手は抜いていない。
なぜならラントから外れた部分の攻撃が
街に大きな傷を残しているからだ。
「この程度ではまだ足りない、ん?」
急に辺りが暗くなった。
ラントは空を見上げると
山のような岩が自分めがけて
降ってきている。
「これが本命か!」
圧倒的な質量の暴力にラントは心から笑った。




