宣戦布告_2
ラントは聞いてきた指揮官に指を指す。
「そこの大将ヅラしたお前。
俺が何に怒っているか、分かるか?」
「俺が知るか」
「そうだろうな!
お前たちでは発想すら出来ない、
俺の理解力の無さを痛感したわ。
だから教えてやろう。
お前ら揃いも揃って弱すぎるわ!」
ラント一人の怒鳴り声が
何十人と集まる兵士たちを威圧する。
「まだ半日だぞ?
今日の日の出前に宣戦布告して、
まだ昼なのに、もう王国の首都まで
来てしまった。
中に入るほど強い奴と戦えると思った俺の
この期待はどこにぶつければいいんだ!」
癇癪を起こしてラントは地団駄を踏む。
たった一歩の踏みつけが大地を揺らし、
近隣の窓ガラスを破砕した。
街中がパニックを起こし、
戸惑いの声と悲鳴が広がる。
やり過ぎたとラントは落ち着きを取り戻し、
一息おいて陣形を崩した軍隊に言った。
「いいか? これが最後のチャンスだ。
明日のこの時間、ここに来る。
その時までに準備を整えろ。
戦う場も指定があるなら呑もう。
俺からの要求は一つ。『楽しませろ』」
人間離れした力を目にして
弱気な兵士が呟いた。
「無理だ。勝てるわけ無い」
それを聞いてしまったラントは一言付け加える。
「降伏、逃亡した者は今の『歩調』で追う」
それだけ言い残し、片手で門を破壊し
街の人間を閉じ込めた。




