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魔術師の国_2
長年、この国を支えてきた貴族たちが
王の前に列を作った。
急遽開かれた会議は
襲撃者への対応を決めるためのものだったが。
「高い予算を割いているというのに
軍部は不甲斐ないな? たった二人に
良いようにされているそうじゃないか」
「そもそもラントと名乗る敵は何者なのだ。
連合国の手先か?」
「いえ、それにしては連携が取れておりません。
お言葉ですが私なら相手が
混乱しているこの隙をつかないわけがありません」
「それは私の聞きたい答えではない。
私は敵が何か、を聞きたいのだ」
遠くの敵に対する具体的な案は出ず、
会議では責任の追及で盛り上がっていた。
見かねた国王が落ち着くよう促す。
その直前にどこかのガラスが割れた。
割れたガラスは王の目の前、
貴族たちの列の中心に降り注ぎ、
最後に人間の体が落ちてきた。
飛び散るガラス片の上に落ちたのは
防具で身を固めた兵士だった。
鎧兜で生死は不明だが胴体に書かれた
メッセージを見て貴族たちは言葉を失った。
『話はすんだか? ラント』




