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解術士_1
冷たい石の上で一人の人間が
寝かされていた。
やがて目を覚ましてきて
焚き火で照らされたまぶたが
ゆっくりと開く。
「やっと起きたか。
退屈で死ぬかと思ったぞ」
そばで起きるのを待っていた男が
寝ぼけた頭を指先でつついている。
「ここは?」
「俺が知るか。俺を起こした洞窟から
少し歩いたところだ」
森に囲まれたどこかの遺跡の真ん中で
二人は夜を過ごしていた。
「お前、俺が誰か知っているか?」
「……戦鬼様?」
「そうだ。良し。記憶はちゃんとあるようだな。
では軽く説明してやろう。
お前と一緒にいた奴らはもういない。
俺が殺した」
「そうですか」
知り合っていた仲間が死んだと聞かされても
悲しくて泣いたり、嬉しくて跳ねたりもしない。
「ちょうど良い人材だ。
やはり俺の目に狂いはなかった」




