魔術師_7
男と自分たちでは生きていた世界が違う。
規格外の力を前に現代の常識は通用しない。
「ワシの負けだ。
煮るなり焼くなり好きにするが良い」
老人はこれ以上の抵抗は無駄だと悟った。
「ただその前に教えてくれ。
宣言通り、ワシらの国を滅ぼし
連合国の奴らを倒したとして。
その後は何をするつもりなのだ。
何の目的もなくただ戦うことだけが
望みなのか?」
「望みではある、が。
まぁ俺をこんな面白い時代に
起こした礼だ。特別に教えてやろう。
戦う目的ってやつを」
男は愉快そうに自分の夢を語った。
それを聞いていた老人や意識のある魔術師たちの
顔がみるみる変わっていく。
夢を叶えるための具体的な方法も聞かされた
彼らには分かってしまった。
それが実現可能であり、
このまま放っていたら大変なことになる。
「やめろ。そんなことをすれば
どうなるか。分かっているのか!
お前は世界中の人間を敵に回しているんだぞ。
どこにもお前の味方はいない。
破滅の未来しかないぞ」
きっと自分たちではこの男には敵わない。
それでも災厄を復活させてしまったことに
負い目を感じざるを得ない。
たとえ自分がどうなろうと
この男だけは止めなければならない。
「破滅だと? あっははは!」
老人の脅しに男は大笑いした。
「破滅して結構。
最後にどんな結末が
待っていようとかまわない。
俺はただ、強い奴と戦えれば
それで良いんだ!」
振り下ろされる男の拳で
人知れず起きた復活劇の幕が下ろされた。




