146/301
胎動_4
ゴゴゴと低い地鳴りが響く。
何が起きているかは分からないが
止めないわけにはいかない。
飛び出すための力を
足に込めた瞬間、重圧に潰されて
地面に這いつくばった。
「焦るなよ。ここから面白くなるんだろうが」
何もさせてもらえず
ただその時が来るのを待たされる。
大地の揺れとラントから
発せられる光が強くなる。
「《破天》!」
そして、連合国ならびに
元魔術王国ウィザルド全土が
光に飲み込まれた。
光は概ね平等に飲み込んだ。
男も女も貴族も物乞いも。
全てを飲み込んだ。
一瞬のことで事態が呑み込めなかった。
痛みもなく目の前が真っ白になったせいで
自分はすでに死んでしまったと勘違いした。
「……何とも、ない、のか?」
何も変わっていない。
自分も部下も、光に呑まれる以前と
変化がなかった。




