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胎動_3
まだラントへの認識が
甘かった事を知った。
桁外れの強さが
些細な問題に思える。
「うむ、痛い。さすがに効くな」
刺された胸は血だらけだが、
驚くことにもう傷が塞がっていた。
「不死身だとでも言うのか」
いよいよラントの化け物ぶりが
極まってきた。
もし出来たとして、首を落とすことで
ヤツを殺せるのだろうか。
「不死身ではない。俺はまだ
死にたくないから生きている、
ただそれだけだ」
「それで生きながらえたら、
誰も死なんわ!」
茶化されたと思い、総司令は怒った。
ラントはそれに呆れ顔を返す。
「あまり失望させることを言うな。
うっかり殺してしまいそうだ」
カッと開いた眼の圧が
連合国軍の心臓を握り潰す。
息が止まる。
何百人かがその場で倒れる。
「これはしまった。
早いところ、済ませてしまうか」
「ッ!? 何をするつもりだ!」
ラントは胸の前で合掌する。
「参式。肆式。封印、開放」




