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人間_5
「人間として? 誇り?
どちらもくだらんな、っと!?」
総司令の返答に呆れたラントに
どこからか槍が飛んできた。
その穂先を手づかみで止めたが、
あと少しでラントの喉元に
突き刺せていた。
「自分の強さしか信じられない
お前のような人でなしには
分からんかもしれない。
だが! 俺たちは、人間は、
助け合うことで強くなれる。
そういう生き物だ」
総司令の遥か後方で
砲声が鳴る。
何度も鳴り、そして総司令の元に
彼らが立った。
「お前はここで終わりだ」
総司令を含め、連合国の最精鋭。
各国のトップがラントの前に立つ。
「なるほど。急に現れた秘密はそれか」
砲弾ではなく人間の長距離輸送。
「助け合うと言っておきながら、
雑兵に露払いをさせて本丸が顔を
出したときに満を持して颯爽と登場。
大した助け合いだ。だが良い」
ラントは要塞から飛び降り、
総司令の前に着地した。
「勝った方の意見が通る。
お前たちの何もかもが
俺にはくだらんが、それが真実。
お前たちこそ何も残せず終わるなよ?
まだ始まってすらいないのだからな?
さて」
ラントは体を軽くほぐし、
両手をパキパキ鳴らした。
「殺ろうか」
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