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人間_4
正面から怒りを受け、
最初は考えたラントだったが、
すぐに鼻で笑った。
「何がおかしい」
「いや、同情していただけだ。
お前はなんと憐れな奴か、とな」
「なんだと」
「せっかく注視されていなかったのに、
わざわざ弱者を救うために身を晒した。
そのまま襲ってくれば一太刀くらい
届いたかもしれないのに」
獲物として識別した以上、
この戦闘でラントが
彼を見失うことはない。
すなわち、貴重な不意打ちのチャンスを
失ってしまったのだった。
「情に流されることは仕方ない、生物ゆえに。
しかし、肝心な判断が出来ないのは
お前が動物以下である証拠だ。
親鳥でさえ飛べない雛を見捨てるのに、
無用な甘さで弱者を救うことに
何の意味がある」
「……人間としての誇りをもち続けるため」
総司令はキッパリとそう言った。
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