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魔術師_4
「ジジイ、お前は他とは
違うのだな」
「当たり前だ。ワシはウィザルドで
大司の称号を持っておる。
分かりやすく言うならば
ワシほど魔術に精通した者は
この世におらんということだ」
「そうか。それは良いことを聞いた。
つまりお前と戦えば魔術が
どの程度のものか分かるということだな?」
老人によって重力を何十倍にも
強められたのに、男は立ち上がろうとする。
しかし、やっと片足を立てたところに
光の鎖が男を締め付ける。
それは男にかけられた封印の一部を
具現化させたものだった。
鎖は骨がきしむほど男を締め上げ、
動きを封じた。
「存分に理解するが良い。
お前ではワシに勝てない。
ワシがお前の主人であることを」
男に伸ばした老人の手が
ぐっと握られる。




