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人間_1
今までそこにいた仲間たちが
影も形も残さず消え去った。
あまりにも呆気ない別れに
生き延びた兵士たちは置いてきぼりにされた。
「よくぞ生き残った兵たちよ。
さあ戦おう。ここが大一番だ!」
砦の最上階から大々的に
姿を晒し、敵に呼び掛けるラント。
それに向かって兵士の一人が怒鳴った。
「そんなことより消えた奴らは
どうなったんだよ!」
消えた兵士の中に彼の仲間がいた。
苦境の中で支え合い、一緒に戦おうと
ついさっき仲間になったばかりだというのに、
ほんの数分ばかりの付き合いで終わってしまった。
当然、許せなかった。だが
「うん? それを聞くことが今、重要か?
弱者の来世がどうなったかなど興味もない。
いちいち考えてられん」
ラントは吐き捨てるように言った。
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