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絆_2
目の前の奮戦にアイサは何の
感情も湧かなかった。
ただじっとその様子を見ているだけだった。
感情の起伏が浅い彼女らしくはあるが、
そこに物足りなさを感じたラントは
少し話をふってみた。
「アイサ。絆は信じる値するものか?」
「分かりません」
「そうだろうな。お前の境遇を考えれば
仕方のない答えだ。だから教えてやろう。
絆や信頼とはなかなか馬鹿に出来ないものだ」
「力が全てではなかったの?」
二人の会話にヒメが加わり、問いを投げた。
「全てではない。力が足りなくとも
その他の要因で勝敗が覆ることはままある。
その一つが絆だ。
真の絆は限界を凌駕する力を発揮させる。
全くもって、侮れんものだ」
「……もしかして、それで負けたことがある?」
無敵のような強さを持っていても、
負ける時もある。
希望を捨てきれてはいなかったが、
ヒメには少し信じられなかった。
「ある! 負けた。
文句の付けようのない完敗だった」
その問いにラントは恥ずかしげもなく答えた。
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