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0 昔話

むかし、ある村に鬼がおりました。

らんぼう者でいつも悪さを働いていますが、

鬼はとても強く、だれもとめられません。

「おれさまは竜を倒した。

燃える鳥も堅い亀も大きな虎もやっつけた。

世界で一番おれさまが強いんだ。

おれさまより強い奴がいるなら

めのまえにつれてこい!」

悪い鬼に村の人たちはほとほと困っていました。

そこへお坊さんがやってきて

その話を聞くと

「ならばわたしがなんとかしよう。

その代わり、私に花を一つ分けてください」

と言って、鬼のところへ行きました。


「鬼よ、お前より強いものを連れてきたぞ」

「ほう。おれさまより強いのはお前か。

すりつぶして酒のつまみにくってやる」

「違う。お前より強いのはこれだ」

そう言ってお坊さんは鬼に村から貰った花を差し出しました。

鬼は顔を真っ赤にして怒ります。

「ふざけるな。そんな小さいものがおれさまより強いだと?」

お坊さんは答えます。

「そのとおりだ。この花は生まれたばかりから

はだかのまま、雪が積もる冬の間、

じっと暗く冷たい土の中で耐え続け

見事春に芽を出したのだ。

いったい誰が同じことを出来るだろうか」

「ならばおれさまがやってみせよう!」

鬼は裸になり、穴を掘ろうとしましたが

お坊さんは止めました。

「それではダメだ。お前は赤子ではないし、

体も大きい。この花より強いならもっと厳しいところへ

行かなければならない」


そう言ってお坊さんは鬼を連れて行きも凍る雪山の

ほらあなへ連れて行きました。

「今からお前をここに閉じ込めるから春が来るまでおとなしく待っていろ。

それが出来たならおとなしくお前のつまみになってやろう」

「面白い。その言葉、忘れるなよ」

鬼は穴の中で座り込み、お坊さんは入口を大きな岩でふさぎました。


こうして村から鬼がいなくなり、平和になりましたとさ。

めでたしめでたし

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