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ルイーザ 第十二部 第六章

「チャンスだ! 麗王が後背の神殿から攻め込んだ! 」


 その襲撃を艦隊の上から見ていたカルディアス帝が歓喜した。

 

「いやいや、空気読めませんよね」


「残念だな……」


 だが、ロイド法王とコンラート皇帝はため息をついた。


 クリトラオスも少し悲しい顔をしていた。


 彼らは、これからの展開を楽しみにしていたのだ。


「ば、馬鹿っ! これは戦争だろうにっ! 」


 たまりかねて、カルディアス帝が叫んだ。


 だが、ロイド法王達のちょっと残念そうなのはなおらなかった。


 その時、咆哮をあげて麗王が剣を抜いて馬のまま海に入ると斬りこんでいった。


 本来、馬はそういう水に入るのが上手くなかったが、魔王クルシュは自分の守護神が水龍神ラトゥースだったために、川くらいしか無いスタンリー公爵領でも、馬に川などで戦う訓練はさせていた。


 それがここで生きたのだが、それは悪い方に行っていると見て良い。


 ブチ切れた麗王が剣を抜いて海に騎馬のまま突撃すると、アルフォソ王子の中の教王と四大守護者がいる船に襲撃したのをそのまま後続の兵も剣を抜くと馬のまま海に入って同じ攻撃を開始した。


「おおおおおおお! 馬のまま入るなんて! 」


 せいぜい騎馬では渡河訓練くらいなのに、騎馬で海に入り襲撃するのは初めての行為なので衝撃をカルディアス帝が受けていた。


 そもそも、騎馬で海上で攻撃する様なものでもないし、ある意味勇み足であったのだが、逆に奇襲の大量のボウガン攻撃の後のさらなる奇襲のように取られて、漁船団は大混乱していた。


「ち、痴話げんかですかね」


「ううむ。魔王クルシュと教王の裸のもみ合い見てから発狂したよな」


 ロイド法王とコンラート皇帝は全然違う所を見ていた。


「やはり、愛ですかね」


 そうクリトラオスが言うと頭をカルディアス帝にはたかれた。


「馬鹿っ! 戦争中だ! 艦隊を動かせっ! このまま一気に滅ぼすぞっ! 」


 カルディアス帝が叫んだ。


 それと同時にハッとしたように皆が艦艇を動かしだして、漁船団を陸に追いつめるように包囲していく。


「仕方無いな」


 そうコンラート皇帝も合流しにやってきた艦隊に合図を送り、包囲作戦に参加した。


 二つの帝国の旗艦艦隊が漁船団に対して包囲殲滅行動を取るのだ。


 その威容は凄まじく、漁船団で混乱している兵士達は洗脳が解けたのでは無くて、それ以上の命に直結した自己保身から漁船から海に次々と飛び込んで逃げ出していた。


「お前はあああああ! 何をしているっ! 」


 そして、ブチ切れた麗王が斬りつけたのはアルフォソ王子の教王で無かった。


 何と、酒と武の神のバルカス神が入っている魔王クルシュの方だった。


「いやいや、麗ちゃん。冷静になれよ」


 今までマウントポジションで殴っていた魔王クルシュの中にいる酒と武の神のバルカス神がそれをやめて、その必殺の一撃を真剣白刃取りで受け止めた。


「冷静になれるかぁぁぁ! (りょう)が痙攣してるじゃないかぁぁぁ! 」


 真剣白刃取りで受け止めた魔王クルシュの手は痙攣していた。


 すでに、中身の魔王クルシュは激痛で悶絶していた。


「大丈夫だ。私は……」


「お前の話なんかしてないっ! 」


「ふふっ。愛しているのだね。彼を」


「おおぉぉぉおぉぉぉぉぉぉおぉぉおぉぉぉぉ! 」


 咆哮をあげて麗王がそのままの形で力技で頭から両断しようとした。


「落ち着き給え。(りょう)君が死んでしまうぞ」


「お前が言うかぁぁ! 」


 そう麗王がギリギリと叫びながら、さらに刀に体重をかけて押し込んでいく。


 その間にアルフォソ王子の姿の教王も負傷した四大実力者もポロポロと漁船団から海に飛び込んで逃げたしていく。


「ほらほら皆が逃げてるよ」


「やかましいわぁぁぁ! 」


 麗王の激高は止まらなかった。


次でこの章は終わりです。

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