ルイーザ 第十二部 第二章
魔王クルシュが現れて、現在の姿を見た全ての兵が固まった。
そう魔王クルシュは酒と武の神であるバルカス神を降ろしたままで真っ裸で走ってきていた。
勿論、フルチンで勃起していた。
「ああ、来ちゃった」
ロイド法王が少女漫画の良くある彼女が来たみたいな喋り方で呟いた。
「え? まさか少女漫画好きなの? 」
「マジで? 」
カルディアス帝とコンラート皇帝が驚いた顔をした。
「ええ、まあ」
そうロイド法王が笑った。
三百年以上前から戦い続けた仲間の初めて聞く話であった。
「頬を染めて教王が横を向きました。ほぅ、背景がピンク色の薔薇が散っていますね。美しい。こんな表現があるんですね」
クリトラオスが望遠鏡で感心していた。
それをロイド法王がさっと奪うと、見て感嘆していた。
「なるほど、花びらが散っていますね。花びらも散らせ方が完璧です」
そうふむふむと言う感じでロイド法王が感心していた。
「昔の古い少女漫画パータンなのか? 」
「いや、我々が転移する前からしても古い少女漫画ですね。というか……待ってください。ちょっと背景の花がっ……まさかぁぁぁぁ! 」
コンラート皇帝の疑問を聞いていたロイド法王が叫んだ。
「ど、どうしたぁぁ? 」
「この絵と背景はっ! 当時人気だったボーイズラブの巨匠の御影先生の背景ですよっ! 」
「「何だってぇぇぇ! 」」
ロイド法王の分析を聞いてカルディアス帝とコンラート皇帝が驚いた。
だが、ここからはそれぞれの驚きが違っており、カルディアス帝はロイド法王がボーイズラブまで読んでた衝撃で、コンラート皇帝の衝撃はボーイズラブの巨匠の御影先生の背景だった事に素直に驚いていた。
そう、ロイド法王とコンラート皇帝はかって少女漫画だけでなくボーイズラブ漫画まで読んでいたのであった。
「えええ? 嘘だろ? 」
カルディアス帝が衝撃を受けて呟く。
「いや、マジだ。あの繊細極太の背景の薔薇はあの御影先生にしか出せない」
望遠鏡で見たコンラート皇帝がそう興奮して騒ぐ。
「楓ってボーイズラブもいける腐女子だったのですね」
ロイド法王がそう感嘆した。
「しかも、あの照明が当たるようなかなり古い表現は冗談っぽくやる御影先生のボーイズラブで良くある手法ですよ」
「おお、確かに! 」
そう、真っ裸なままの勃起した魔王クルシュと教王には薔薇の花びらが舞う中で照明が当たっていた。
教王側の漁船団でも、<黒きもの>と<青きもの>とカルブスト将軍も身を乗り出して魔王クルシュと教王の斬新な背景を見ていた。
彼らにはあまりに進んだ心象風景の姿であり、特にカルブスト将軍は美しさを愛でて、ほぅとため息をついていた。
そして、<赤きもの>と<白きもの>は呆然として、その状況を見ていた。
それはカルディアス帝達も同じで、コンラート皇帝とロイド法王とクリトラオスが大盛り上がりで見ているのをカルディアス帝はドン引きして見ていた。
実際の男と男の状況で誰もが息を飲むような風景の中で無言になっていた。
淡々と進む美しい背景を……そして照明でアップされている教王と魔王クルシュを見ていた。
「こ、これは進んじゃうんでしょうかね? 」
ロイド法王がそう無言の状況に耐えかねた様に叫んだ。
「むう……」
コンラート皇帝も呻いた。
「何が進むのっ? 」
たまりかねてカルディアス帝が聞いた。
「いえ、この心象風景は……御影先生だと彼と彼が恋に落ちる時の背景なのですよ」
「場合によってはベットインまであるパターンだぞ? 」
「いやいや、ありえねぇだろう! 」
ロイド法王とコンラート皇帝の言葉でカルデイアス帝が絶叫した。
という事でカオスは加速しつつあった。




