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ルイーザ 第十一部 第四章

「どうしますか? 海底人の方が多い」


「奴らは鎧のかわりに固い鱗があるからな。意外と個人戦は強いぞ」


 コンラート皇帝が、辺りを見回すと、カルディアス帝の配下もコンラート皇帝の配下もゲーゲー吐いたせいで青い顔をしていた。


「絶望的ですね」


 ロイド法王も自分の配下が船酔いで蹲っているのを見て、ため息をついた。


「仕方あるまい。だが、これはチャンスだ」


 そうカルディアス帝が呟いた。


「「えええ? 」」


 コンラート皇帝とロイド法王の顔がドン引きしている。


「チャンスですって? 」


「奴らは今海にいる! 雷神ベルクナスよっ! 力を貸し給えっ! 」


 不思議そうに聞いたクリトラオスにカルディアス帝がそう叫ぶと凄まじい雷撃が走る。


「ちょっ! 」


「ああああ! 」


 それと同時にコンラート皇帝とロイド法王の突っ込んだのは間に合わなかった。


 凄まじい雷撃が辺り一帯に走る。


 海はそのせいで閃光があちこちに走っていた。


 流石の海底人も凄まじい電撃で次々と海に浮かんで行った。

 

 だが……暴風雨でずっと艦隊は濡れていたのだ。


 その電撃は艦隊に乗る全ての兵士達にも直撃していた。


 海底人がぷかぷかと浮かんでいる中で、艦隊の兵士達も電撃でしびれてピクピクすると言う地獄絵図に変わった。


「いや、お前! こないだ俺達に考え無しに救援で来て一か所に集まるから、包囲殲滅されるだろうがとか俺達を批判していたが、これじゃあ、あんまり変わらんじゃ無いか! 」


 コンラート皇帝がキレた。


「心配するな。我が兵士は常日頃から雷撃に慣れている。そもそも、海水にいる海底人と艦艇の上にいる我々なら、海水と水の差がある」


 そうカルディアス帝が胸を張った。


「いや、それ、お前んとこの兵士だけだろ? 」


 尚もコンラート皇帝が叫ぶ。


「いや、貴方の兵士ってキンキラキンの貴金属を付けてますよね」


 ロイド法王がカルディアス帝の兵士達の貴金属のネックレスとか鎧のカバー辺りの燻りを見ながら突っ込んだ。


 あ! って顔はしたけど、カルディアス帝は知らなかった振りした。


 皇帝たるものはしくじったと認めてはいけないのだ。


「馬鹿じゃね? 」


「段々、武王……魔王クルシュに似てきますね」


 馬鹿じゃねって言葉はスルーしたものの、ロイド法王の言葉にかなりのショックを受けたカルディアス帝だった。


「ええええ? 似てるかなぁ……」


「やっぱり、気にするんですね」


 しびれたのに意外と冷静にクリトラオスが答えた。


「いや、お前、随分、平気そうだな」


「いや、そりゃ、中身に電気が通らないように、甲冑の下にゴム製の衣服を着てますから」


「なななな、なんで? 」


「いや、うちの近衛と指揮官は皆入れてますよ。いつも、いきなりの電撃が来ますからね……」


「練習したと言うより、普段から慣れているって事じゃないですか? 」


 クリトラオスの言葉にロイド法王の冷やかな突っ込みが続いた。


 だが、カルディアス帝はそれらを誤魔化すように手を挙げた。


「雷神ベルクナスよっ! 力を貸し給えっ! 」


 再度凄まじい雷撃が続く。


 海上には龍のように稲光が走りまくった。


 それによって、艦隊の側面に残っていた海底人も次々とトドメの一発のように海に落ちていった。


 それ以上に艦艇の兵士達は電撃でのたうち回って痙攣していたが……。


「馬鹿なのっ! 」


 コンラート皇帝が強く突っ込んだ。


「だが、海底人の奴らはまるまる落ちたぞ」


 そうカルディアス帝が胸を張った。


「動いている兵士はこちらも少なくなりましたよ。どうします? 教王の漁船団が来ますが」


 そうロイド法王が答えたが、漁船団はこちらを包囲する構えを見せながら近寄ってこなかった。


 彼らも海底人やカルディアス帝やコンラート皇帝達の兵士達ほどでは無いが電撃のせいで痺れていたのだ。


 何しろ、暴風雨と波を被っていたのは彼らも同じだったからである。


 

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