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ルイーザ 第十一部 第三章

「ど、どう言う事だ? 」


 カルディアス帝が軍艦の上で呻いた。


 波で酷く揺れるのは、そのままで、皆はゲーゲー吐いているものが多かった。


「裏切りか? 海底人と言えば水龍神ラトゥースの氏族の一つでは無いか……」


「酷い目にあったと言う気持ちは分かりますが、それはどうかと思いますね。今まで弱小だった海底人が人間から攻撃を受けなかったのも加護もありますが、それ以上に水龍神ラトゥースの庇護を受けていると言う意味が強かったはず。誰も水龍神ラトゥースを敵に回すのは嫌だし、関わってはいけない神様の筆頭にあがってきますからね」


 海に崩れ落ちて沈んでいく水龍神ラトゥースを見てコンラート皇帝とロイド法王が淡々と話した。


「まさか、神殺しの瞬間を見るなんて……」


 真っ青な顔にクリトラオスがなった。


 ここ数百年、神殺しなど人間は見たことが無かったからだ。


 恐ろしい事になるのではとカルディアス帝達を見たら、冷やかな顔でカルディアス帝とコンラート皇帝とロイド法王が首を左右に振っていた。


「死なない、死なない」


「あんなので死ぬなら、真面目な話、水龍神ラトゥースはとっくに殺されている」


「まあ、しつこいのと、殺しても死なないと言うのが水龍神ラトゥースですから」


「いや、随分と淡々とした感想なんですね」


「いやいや、あのくらいの事は300年前は良くあったし」


「あの御方、神殺しの矢とか剣も昔に受けてたよな」


「これで、フルコンボですね」


「いやいや、いくら何でも、冷静すぎでしょ」


「そんなもんだから。まあ、しばらく復活には時間がかかるだろうがな」


「とは言っても早いと思うぞ……。前もそうだったし」


「そういや、ここ百年くらいだっけ、海底人が庇護に入って氏族になったの」


「元は、海底人の一部の者たちが魚を献上して氏子になったのが最初からだったと思いますが、集落くらいのレベルで一族全部では無いですからね。伝承として聞いて無かったんでしょ」


「だよなぁ。知ってたらあんな事しないし。洗脳もされてるのかもしれんけど、海底人にそんなの効くって聞いたこと無いわ」


「ですよね」


 などと、カルディアス帝もコンラート皇帝もロイド法王も淡々と話し合っていた。


「ちょっ、ちょっと、海の支配権を海神バルバトースが手にしたみたいですよ」


 クリトラオスが慌てて話す。


 今までの暴風雨は止まり、からりと晴れた。


 波も今までが不思議なように平穏になった。


「まずいな。これで戦う気か? 」


 そうカルディアス帝が呻く。


 漁船団が平穏になった海に乗り出して来て、大きく展開を始めた。


「分かってる、今すぐこちらの艦隊を呼ぼう。間に合うかな」


 コンラート皇帝が即座に手をあげると一気に連絡鷲が空を幾羽も飛んでいく。


「本当に海底人は敵に回ったんですね」


 そして、海をじっと見て、ロイド法王が呟いた。


「いやいや、いくら弓兵がいるとはいえ、こちらは軍艦ですよ。たかが漁船団です。クシャナ帝国の恐ろしさを思い知らさせてやりましょう」


 とクリトラオスが反論した。


「いや、気が付いて無いのか、軍艦の側面を見ろよ」


 そうカルディアス帝が呟いた。


 まるで蟻のように銛を持った海底人が全ての軍艦に集っていた。


「カタパルトもバリスタもくっつかれたら使えませんね」


 そうロイド法王も呻く。


「あぁぁあぁぁぁぁああぁぁ……」


 クリトラオスがその状況を見て呻く。


 威力がありすぎて、他の軍艦に集っている海底人を攻撃すると、バリスタの矢なら軍艦の側面を撃ち抜いてしまうし、カタパルトなら撃ち抜いてしまう。


 軍艦の強力な攻撃兵器を一瞬にして無力化されてしまったのだ。


 もはや、完全に肉弾戦になるしか無いようにされてしまっていた。



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