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ルイーザ 第十部 第四章

「待て待て、お主は水神。我は海神。海と深い関係のあるもの同士では無いか」


 そう海神バルバトースが困ったように諭した。


「やかましいわっ! 我の邪魔をするものは全て敵よっ! 大体、お前、昔負けて一部の領域だけ聖地として貰って封印された神では無いかっ! 」


「いや、神々の戦いでも戦である以上勝ち負けは兵家の常と言うでは無いか」


「お前はそんな感じだから駄目なんだ! 負けなど認めず戦いつつづけろやぁぁ! 」


 水龍神ラトゥースの決めつけた言葉で流石に海神バルバトースが怯んだ。


「無茶苦茶やな」


「酷い駄目だしですね」


 かなり離れた位置でようやく艦隊を入り江に入れて一息ついたカルディアス帝の艦隊の旗艦の上で、カルディアス帝達がテレパシーを聞いて、さわさわと突っ込んでいた。


「まあ、落ち着け。まずは話し合いと行こう。お主は老神に対する敬意を持て。そもそも同じ水神系の神であろうが……」


「やかましいわっ! その髭面のふざけた顔で、魚の尾っぽが下半身で、昔からいらつくんじゃあああ! なんじゃ、その恰好! 銛なんか持って、何の役に立つんじゃぁぁぁぁ! 」


「やかましいわっ! 魚を採取する漁民の切なる願いがこもった身体を何とするっ! 」


「銛じゃなくて投網にしとけっ! 大体、それじゃあ、お主は食べられる側の魚じゃねぇかぁぁぁぁぁ! 」 


 水龍神ラトゥースの暴言が止まらない。


「き、貴様っ! いいだろう! 我が彼らを守り切ってやるわぁぁぁ! 」


 それで、とうとう海神バルバトースがブチ切れた。


 凄まじいテレパシーの罵り合いが続く。


「こうやってテレパシーを飛ばして、そのまま水龍神ラトゥースの本音がモレモレするから悪神呼ばわりされるんでしょうね」


「まあ、無茶苦茶なの隠さないからな」


 ロイド法王がカルディアス帝の旗艦の上でそう突っ込んだらカルディアス帝も苦笑した。


「良かろうっ! この聖地の領域では、我の方が強いと言う事を思い知らせてやるわぁぁ! 」


 そう言うと、その穏やかな領域がドームのように光り輝いた。


「ほざけぇぇぇ! 」


 水龍神ラトゥースが腕を振り上げると、凄まじい風が巻き起こった。


 それがさらに波を酷くさせる。


 そして、豪雨とともに、海上にいくつもの竜巻を生じさせた。


 それが水龍神ラトゥースが海神バルバトースの領域を指差す事で、次々とぶつかって行った。


 だが、その領域は強く、海神バルバトースの領域を破壊するのは容易で無いようだった。


 もっとも、その為に、波がさらに酷くなって、入り江に逃げ込んだはずのカルディアス帝の艦艇も次々と波に揺れ出して、カルディアス帝の指示でさらに浜の方へ避難させられた。


 すでに帆柱は畳み、櫂で専門の船員たちが漕いでる状態ではあったが、砂浜に打ち上げられる覚悟で避難するしか無かった。


 それほどの攻撃だったのだ。


「あああ、迷惑だな。本当に迷惑だな」


「逆に、こちらで追いかけて艦隊戦で漁船団を潰した方が良かったのでは? 」


「それがお分かりになる神様なら、俺達は逃げてないし」


 クリトラオスの疑問をカルディアス帝が吐き捨てた。


「どうやら、聖地の領域内の方が強いようですね」


 ロイド法王がため息をついた。


「ブチ切れて、テレパシーで騒がないで淡々と攻撃しているな」


 そうコンラート皇帝が訝し気に水龍神ラトゥースの方を見た。 


「なるほど、そう言う事か? 」


「やれやれ。考える事は魔王クルシュに似て突飛だな」


 カルディアス帝とコンラート皇帝と遅れてそれに気が付いたロイド法王が頷き合った。


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