ルイーザ 第十部 第一章
魔王クルシュ達は全力で水龍神ラトゥースが無茶苦茶にしたはずのオルス帝国の北部に向かっていた。
通常ならば川沿いで行くのだが、今回は外回りで行くしかない。
水龍神ラトゥースが豪雨で無茶苦茶にしたからだ。
皆が馬が疲れるのを仕方ないと思いながら飛ばしていた。
「むぅ、水龍神ラトゥース様がこちらに戻ってこられない。これはまずいかもしれない」
そう魔王クルシュが馬を走らせながら呟いた。
「まずいって? 」
叔父の将軍が馬を走らせながら聞いた。
「多分、まだ教王が生きているのだと思う。それも主力の勢力を残して……」
麗王がそう話した。
「えええ? あの有様で大丈夫なの? 」
「多分、間違いない」
テイラー部隊長の言葉に魔王クルシュが答えた。
「まずいな……。先ほどの話だと、カルディアス帝とか生きてるんだろうけど……」
「意地になってるからなぁ。水龍神ラトゥース様が暴走するかも……」
「してるじゃん! 」
「あれ、暴走だよな! 」
テイラー部隊長とクリス部隊長が叫んだ。
「いやいや、これでもか、これでもかって展開が好きな御方だから……」
「しつこいだけだと思うけどな」
魔王クルシュと麗王がそう言葉を濁した。
「じゃあ、カルディアス帝とかは? 」
「予断を許さない状況だと思う」
叔父の将軍の言葉に魔王クルシュが答えた。
横で麗王も頷いていた。
「どうすんだ? 」
「とにかく急がないと」
「待ってくれ。このままだと馬が潰れるぞ。一度休憩すべきだ」
クルス部隊長が話す。
馬を交互に乗りながらとか、そういう馬の疲労を考えた対応はしてなかったから、当たり前かもしれない。
「一旦、休ませよう……」
麗王が馬の状態を見て、皆に伝えた。
「間に合わないかな……」
魔王クルシュが呻く。
「まあ、あの三人は慣れてるから死ぬことは無いだろう」
麗王の言葉で、叔父の将軍やテイラー部隊長がガチでドン引きしていた。
「どんな神様なんだ」
「いやいや、ヤバすぎだろ」
「まあ、ああ言う御方だから」
そう魔王クルシュが冷静に答えるがさらに、それが皆を引かせていた。
「とりあえず、飯も食ってしまおう」
そう叔父の将軍が提案したので、所持していた干し肉をかじった。
馬につけている臭い魚の干物は、魔王クルシュが相手のお香の洗脳対策にいるからと止めたからだ。
「馬の負担を考えると魚の干物を食べた方が良く無いか? 」
テイラー部隊長は魚醤で味付けした魚の干物の匂いが嫌いらしくて、愚痴っていた。
「仕方無いだろ」
魔王クルシュがため息をついた。
「そうは言っても、洪水で水にぬれている状況で、果たして火とか焚ける? 向こうのお香もそうだけど、こちらの魚の干物もだけど……」
そうクリス部隊長が突っ込んだ。
「いや、確かにそうかもしれないけど、ここで何の対応策も無くすのは下策だと思うが……」
「火の中に魚醤でもぶち込めばよかったのでは? 」
「いや、君まで言うのか? 」
麗王がそう突っ込んだので、魔王クルシュが少し傷ついた顔をした。
「まあ、食料の問題もあるからな」
叔父の将軍がそうやって皆を宥めた。
その瞬間、海の方に凄い雲が集まって行っているのが見えた。
「え? 」
「あれ? 」
クリス部隊長などが不安そうにそれを見た。
「あああ、始まったな……」
魔王クルシュが深く深くため息をついた。
続きでございます。
アチアチの再投稿と言う挫折で落ち込んでおります。
体調も悪く、いろいろと仕事などもあり、トラブル続きで参っております。
投稿が遅くなって本当に申し訳ないです。




