ルイーザ 第八部 第七章
そして、皆は各部隊の調査と再編に動き出したが、事はそれで終わらなかった。
教王は兵士だけに香の洗脳を使うだけでなく、それぞれのゼクス帝国やクシャナ帝国や僧会の信徒など普通の国民にまで洗脳を拡げていたようだ。
洗脳した彼らに嘘の話で不平不満を煽り、あちこちでデモを起こさせていた。
その為に、カルディアス帝とコンラート皇帝とロイド法王は対応に奔走されることになった。
そして、魔王クルシュと麗王はスタンリー公爵家の軍と合流した。
スタンリー公爵は麗王に慣れていなくて、及び腰で話をしていた。
「どうも、各国のデモを頻発させて、こちらの対応を後手後手にしているようだな」
「は、そうですね」
スタンリー公爵が敬礼でもしそうな感じで話す。
「いや、私はルイーザの身体を借りているだけのようなものだ。魂は同じだが、人格は違うと言うとこか。ただ、貴方の娘には変わりないので、父親と接してくれると嬉しいのだが」
「はい、おっしゃる通りでございます」
「いや、だから……」
麗王が困ってそう話す。
流石にこの緊迫した状況でルイーザに振るのが出来ないので、麗王のままでいるのは仕方ない事だった。
だが、スタンレー公爵はお偉いさんと話すようにピシッと立って敬語で話すのをやめてくれなかった。
「無理無理、精一杯ですよ」
「俺らだって、気にしてるくらいですから」
テイラー部隊長とクリス部隊長が言ってる事とは別に、なれなれしい態度でそう突っ込んだ。
「いや、まあ、魔王クルシュの問題が片付いただけでも良かった。フラれたって悲嘆にくれて酷かったから」
叔父の将軍がほっとした顔で笑う。
何しろ、スタンリー公爵軍は魔王クルシュに指揮を全振りで無いと戦えない状態だったのだ。
「いや、別に状況は変って無いぞ……」
「えええ? 」
麗王の言葉に魔王クルシュが泣きそうな顔になった。
そこに雌犬の子犬のルイーザが走ってきて、しょぼくれた顔の魔王クルシュにまとわりついた。
「ほらほら、戻っちゃうよ」
「まずいって」
なれなれしい感じでテイラー部隊長とクリス部隊長が慌てた。
すっかり、また真っ白になっていく魔王クルシュを見て麗王がため息をついて咳払いをした。
「あ、ああ、私の気持ちは前世と変わってない。だから、ルイーザを納得させてくれたらいいんだ」
そう麗王が魔王クルシュに囁いた。
そうしたら、現金にも魔王クルシュはキラキラした目で喜んだ顔に変わった。
その時に、スタンリー公爵家の本陣に早馬が飛び込んで来た。
「大変です。アルフォソ王子が全軍でスタンリー公爵領に攻めて来てるそうです。僧兵も煌びやかな甲冑を着た軍も一緒だそうです」
早馬の使いは転がりそうになりながら皆に告げた。
「やはりな。デモで他の六王が救援に来れないようにして、スタンリー公爵家から叩いていくつもりか……」
「だが、湖があるのにか……」
「工作部隊が続いていて、どうも湖の堤を破壊するのでは無いかと……」
「えええええ? せっかく勝てるように作ったのに」
「何の為に大雨を……」
そう部隊長達が愚痴って、雨の事がバレると思ったのか口をつぐんだ。
「とにかく、すぐに戻ろう。どちらにしろ、救援は時間がかかりそうだし」
そう麗王が話した。
「はっ、分かりました! すぐに全軍で帰ります! 」
スタンリー公爵は相変わらずできりっと敬礼した。
「良し、ハニーの城に戻ろう」
魔王クルシュが目をキラキラさせてハイになって答えた。
それらを見て、麗王は深い深いため息をついた。
次のキャラクター紹介で終わりです。
続きはまた一ヶ月以内に投稿します。
宜しくお願い致します。




